研究課題
特定領域研究
ヘパラン硫酸(HS)は、構成繰り返し二糖(グルコサミンとグルクロン酸)の組成変化や糖残基の6位や2位へのO-硫酸化の相違、さらにそれらの配列の違いにより幾つかの構造異性体ができ、天文学的数字の多様構造を持つ。しかもHSは細胞表面や細胞外マトリックスにあって、構造は時空間的に変化している。このようなHS糖鎖に細胞の形態や増殖能などの細胞活性に必須であることが明らかにされているFGFなどの分泌性可溶性の細胞増殖因子、サイトカイン、Wntなどの形態形成因子の多くが結合する。そこで異なる構造のHS鎖に異なるこれらの因子が特異に結合することにより、それぞれの活性が特異に調節されているのではないかと考えた。本研究では、まず幾つかの代表的な増殖因子や形態形成因子について、異なる因子はO-硫酸化などの異なる構造のHSにそれぞれ結合することを明らかにした。次いでO-硫酸化酵素の遺伝子を改変してHS構造を人為的に変化させた生体(マウス、ニワトリ、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ)では、確かにこれらの因子活性に変化をきたし、器官発生や組織の形態形成が異常になることを観察した。さらにこの異常がHS構造の変化により細胞増殖因子や形態形成因子のシグナル異常をきたしたためと思われる証拠を得た。以上よりHS鎖による形態形成の調節機構の存在を明らかにした。
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