研究概要 |
1)IL-8依存的β-グルクロニダーゼ分泌活性のMan_6・GlcNAc_2による阻害 IL-8はケモカインの一種でその蛋白化学的性状は72個のアミノ酸からなる塩基性のヘパリン結合性のタンパク質で、2つのジスルフィド結合と3列のβ-シート構造とC末端側はα-ヘリックス構造をしており、二量体を形成している。ヒト末梢血リンパ球細胞をIL-8で刺激するとリソソーム酵素の分泌が促進されることが知られている。β-グルクロニダーゼ分泌がIL-8依存的に促進されるアッセイ系に高マンノース型糖鎖を添加したところ、IL-8に結合活性を示すMan_6GlcNAc_2 Asnのみで阻害された。Man_6GlcNAc_2を持った糖タンパク質の同定は未だなされていないが、IL-2,IL-6と同様にIL-8の生理活性発現に高マンノース型糖鎖が積極的に関わっていることが示唆された。(投稿中) 2)多様なリガンドを認識するガレクチン-4のサイトカイン様機能 ガレクチン-4は消化器上皮細胞の細胞膜、細胞質、核に局在し、カイトカイン様の機能を発現する.我々はガレクチン-4が硫酸化コア-1のみならず、スルファチドを含む一連の硫酸化糖脂質、硫酸化コレステロール、チロシンリン酸と結合し、腸上皮細胞の接着依存性アポトーシスや細胞内シグナル伝達機構のモジュレーターとして作用する事を明らかにした。(投稿中)
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