研究課題/領域番号 |
14083203
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
ダニエルス クリスチャン 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30234553)
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研究分担者 |
河合 香吏 東京外国語大学, 助教授 (50293585)
西井 凉子 東京外国語大学, 助教授 (20262214)
宮崎 恒二 東京外国語大学, 教授 (40174156)
関根 康正 日本女子大学, 現代社会学部, 教授 (40108197)
大塚 和夫 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70142015)
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キーワード | 知識資源 / 共有 / 占有 / 秘密 / 前近代知識 / 牧畜社会 / 宗教的知識 / 情報操作 |
研究概要 |
これまで資源は目に見える物体を対象としているというのが一般の認識だったが、「知識資源の共有と秘匿」班は知識が一種の資源でもあるという前提の上で研究を進めている。そのなかで知識がどのように資源化されるのか、その知識が社会でどのように利用されているのか、また、資源化された知識の分配・共有の配列がどのように変化したのかといった過程を明確にすることが重要な作業である。それは知識が資源化ないし非資源化されるメカニズムを明らかにすることでもあるが、その資源化は知識を秘密化することによって実現されるという仮説も立てられた。 二年目に当たる本年度において、先ず年度初めに三つの基本課題を設定した上で、(1)研究会の開催、及び(2)現地調査の二本立てで研究活動を行なった。 第一課題は、知識の所有・占有・共有である。 第二課題は、現代における前近代知識の読み直しである。現在、・アジア・アフリカの多くの社会において、色々な形で前近代の知識が作り直されているが、同時にこれは異なった文化社会で起こっている現象である。このような知識はどのようにテキスト化されていくかという過程の解明が待たれている。 第三課題は、実体化された知識である。実践の中で生まれてくる知識はどのように資源化されるかが大きなテーマである。 (1)については、研究会を合計5回開催した。研究発表を通じて(a)知識・情報はさまざまな社会集団や宗教集団などによって共有、占有など複数な形態によって所有されており、(b)情報操作による知識の資源化、(c)秘密を占有することによって権利が維持し得るなどの点が明らかになった。(2)については、知識資源に関する事例を収集するために、ダニエルスは中国、西井凉子はタイ王国、また河合香吏はウガンダ共和国において調査を実施した。
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