研究概要 |
非常に沢山のコンピュータ(ノード)が結合しているコンピュータネットワークに対しては,集中処理による制御には限界があり,分散処理による適切なパケット流のルーチグ制御を行うことが必要となる.ルーチング制御は最適化問題の1つと考えられる.したがって,人工ニューラルネットワークを用いた制御が適していると考える.本研究では,高速な適応的分散制御を実現させるために,人工ニューラルネットワークを各ノード内に配置させて,フォールトトレラントな,知的並列分散処理による制御を可能にするシステムを提案する.特に,各ノード内に配置されたニューロンの発火,非発火により,パケットの送信を制御する確率的数理モデルを提案して,統計物理学的手法を用いてパケット流のルーチング制御を行う.このためには,HoriguchiとIshioka(Physica A 297,521(2001))が提案したパケット流制御の統計物理学的モデルを基に研究を行うのが都合がよい.初めに,発火制御リンクの概念を導入して,パケットの優先的送信を可能にするモデルを考案した(ICONIP '03に投稿中).次に,イジングモデルを用いた定式化を行い,ニューラルネットワークを用いたシステムより,優先的パケット送信に関しては性能が良いことを明らかにした(2002年秋の物理学会発表,平成14年度研究成果発表会で発表,学会誌に発表するために準備中).次に,学習補助ネットワークと通信制御ネットワークからなる2層ニューラルネットワークモデルを考案して,学習の概念をパケット流制御に導入し,スループットが増加することを示した(2003年春の日本物理学会で発表予定,また学会誌に発表するために準備中)
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