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2005 年度 実績報告書

モンテカルロ法による複雑情報処理系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14084204
研究機関東京大学

研究代表者

福島 孝治  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80282606)

キーワードスピングラス / 物性基礎論 / モンテカルロ法 / 情報基礎論 / 相転移 / 拡張アンサンブル / 確率伝搬法
研究概要

(1)モンテカルロ法による確率伝搬法の検証
情報理論の分野で進展のあった確率伝搬法は,近年サーベイ伝搬法と呼ばれる新しい方法の開発に至っている.この方法は,誤り訂正符号や最適化問題のK-SAT問題に応用されているが,その性能及び妥当性には不明な点が残されている.特に,サーベイ伝搬法の方法論のもつパラメータである有効指数は,この方法の内部だけでは決めることができず,経験的に決められることが多い.そこで,確率伝播法とは異なる方法として,モンテカルロ法を用いて,独立にサーベイ伝搬法で使われている関係式を検証し,妥当な有効指数の値を決定することを試みた.この双方の比較を通じて,有効指数を決める原理について深く考察し,この指数と全く別の非平衡下で揺動散逸定理の破れを表す指数との関係を議論した.この結果は平成17年9月にパリで開催された日仏セミナー(Recent progress in Glassy Physics)にて発表された.
(2)大規模モンテカルロ法によるイジングスピングラスの臨界現象と新しいスケール変数
上記問題はフラストレート磁性体の最も基本的な模型であるが,その相転移の様子や低温相には不明なことが多い.本研究では特に臨界現象に焦点を絞り,交換モンテカルロ法による大規模計算を行った.これまで,本来普遍的である臨界指数が物理量に依存し,異なる値が評価されてきたが,我々の計算結果を元に新しいスケール変数を考慮することでその問題がほぼ解消され,普遍的な臨界指数を得ることができた.また,この新しいスケール変数の考え方は,実験も含めた広く一般の臨界現象に適用できる可能性を示唆しており,いくつかの具体的な例を示すことができた.この結果は現在論文投稿中であり,平成18年3月第61回日本物理学会年次大会で発表される.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Monte Carlo Simulations of the phase transition of the three-dimensional isotropic Heisenberg spin glass2005

    • 著者名/発表者名
      K.Hukushima, H.Kawamura
    • 雑誌名

      Physical Review B 72

      ページ: 144416-1-20

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Temperature Chaos and Bond Chaos in the Four-Dimensional +/-J Ising Spin Gless2005

    • 著者名/発表者名
      M.Sasaki, H.Hukushima, H.Yoshino, H.Takayama
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 95

      ページ: 267203-1-267203-4

  • [雑誌論文] 確率的アルゴリズムによる情報処理(1)モンテカルロ法:リレー連載/確率的情報処理と統計力学2005

    • 著者名/発表者名
      福島孝治
    • 雑誌名

      数理科学 503

      ページ: 77-83

  • [雑誌論文] A PCA approach to Sourlas code analysis2005

    • 著者名/発表者名
      M.Inoue, K.Hukusima, M.Okada
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics Supplement 157

      ページ: 246-249

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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