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2004 年度 実績報告書

確率的情報処理の手法による不規則系の統計力学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14084205
研究機関東京工業大学

研究代表者

西森 秀稔  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70172715)

研究分担者 笹本 智弘  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70332640)
キーワードトーラス符号 / スピングラス / ゲージグラス / グリフィス不等式
研究概要

本年度はまず、量子誤り訂正符号の統計力学的側面とその不規則系への応用研究を行った。量子誤り訂正符号の一種であるトーラス符号においては、誤り訂正限界の算出の問題が有限次元スピングラスの多重臨界点の決定と等価であることが知られている。私たちはまず、この対応関係を3+1次元に拡張し、3次元のトーラス符号で誤りの観測が不完全な場合において、誤り訂正限界が4次元のゲージグラスの一種に置き換えられることを使い、後者の多重臨界点を双対性を使って算出した。驚くべきことに、その結果は2次元の場合と完全に一致した。数値シミュレーションも、われわれの理論的予想を裏付けている。さらに、2次元においてトーラス符号の誤りパターン数の上下限を評価し、それを用いて2次元スピングラス模型の基底エネルギーの下限を求める方法を確立した。
また、スピングラス模型の強磁性相の性質を解明する研究の一環として、いわゆる西森ライン上でグリフィス不等式を証明した。グリフィス不等式は純粋の強磁性体については古くから成立することが知られており、長距離秩序の存在条件等について重要な物理的結果を導く。私たちは、ガウス型の不規則性を持つスピングラス模型のゲージ対称性を活用して2種類のグリフィス不等式がいずれも、西森ライン上で成立することを厳密に証明した。したがって、西森ラインはスピングラス模型の相図の中に位置しながら、その上では系の性質は際だって強磁性的であると解釈できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Self-dual random-plaquette gauge model and the quantum toric code2004

    • 著者名/発表者名
      K.Takeda, H.Nishimori
    • 雑誌名

      Nuclear Physics B 686

      ページ: 377

  • [雑誌論文] Exact ground-state energies of the random-field Ising chain and ladder2004

    • 著者名/発表者名
      T.Hamaki, H.Nishimori
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 73

      ページ: 1490

  • [雑誌論文] Griffiths inequalities for the Gaussian spin glass2004

    • 著者名/発表者名
      S.Morita, H.Nishimori, P.Contucci
    • 雑誌名

      J.Phys.A 37

      ページ: L203

  • [雑誌論文] Error counting in a quantum error-correcting code and the ground-state energy of a spin glass2004

    • 著者名/発表者名
      H.Nishimori, P.Sollich
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 73

      ページ: 2701

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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