研究概要 |
当初の計画においては,集団学習の手法であるブースティング,あるいはバギングを対象として考えてきたが,回帰問題への拡張を模索する中で,サポートベクターマシン(Support Vector Machine)やスパースコーディング(Sparse Coding)など手法との密接な関係が現れてきた.これらの関連についてより詳細な解析を進めるために,まずサポートベクターマシンの汎化誤差に関する統計的考察を幾何学的な観点から進めた. さらにグラフィカルモデルなどで重要となる巨大な確率分布表の推定において独立な同時分布表の混合を考えることにより,パラメタ数をドラスティックに削減できる可能性があるが,この密度推定において,これまでに提案したブレグマン・ダイバージェンスを用いた推定方法を適用することによって,密度推定における集団学習的な方法による推定精度の向上と安定化について考察した.また,理論解析の結果を実問題に適用し,より実用的なアルゴリズムを構築することを検討するために,スパムメールを分類する問題や,睡眠時の心拍や血中酸素濃度から睡眠状態を推定する問題などを例として,アルゴリズムの性能の比較検討や,実データにおいて多く見られる欠損などに対処するためにEMアルゴリズム等と組み合わせる手法について考察を行った.
|