研究概要 |
本研究では連続変数を対象とし,目的関数値のみを用いて最適化計算を行う最適化手法として,実数値遺伝的アルゴリズムに着目し,遺伝的アルゴリズムにおける多数の探索点を用いる最適化プロセスを確率分布の発展という視点から捉え,類似の探索アルゴリズムである分布推定型最適化アルゴリズムとの比較検討を行おうというものである.平成14年度にはそれぞれ,これまでに種々の提案がなされている両手法についての調査を行うとともに,計算機実験を高速に行うために,複数台のパーソナルコンピュータを並列に用いる数値実験システムの構築を進めた.今後,両アルゴリズムの計算機プログラムへの実装と最適化対象とするテスト関数群などの整備を行い,数値実験を中心に研究を進める予定である. また,これら目的関数値のみを用いて最適化計算を行う最適化手法は「直接法」と呼ばれ,勾配など最適化すべき関数の微分情報を用いないこと,最適化すべき関数にノイズが重畳している場合にも最適化が行えることなどから,実システムを稼動させながら,その評価値の計測に基づくオンライン最適化や複雑な計算機シミュレーションにより評価値を得ながらシステムを最適化するシミュレーションベースの最適化など計算機の性能向上と低廉化により可能になった最適化手法の応用として重要である.これらに点について,特にノイズを含む関数の最適化と交通システムの最適化への応用について併せて検討を行った.
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