研究課題
本研究は分子計算によって培われた情報科学・生命科学の協力体制によって、分子進化という同一の課題に取組むことを目的とした。ウエット進化計算の分子実現について、染谷と山村は、タンパク質工学のために「探索が任意のある一点から開始される」確率的最適化の手法を検討した。SAなどの既存手法の分子実現について理論的に考察し、遺伝的アルゴリズムに基づく主要を提案して、計算機実験により有効性を確かめた。春木はランダム変異およびDNAシャッフリングによる大腸菌リボヌクレアーゼHの耐熱化実験、および大腸菌リポヌクレアーゼHIの耐熱化機構の熱力学的解析を行った。木賀は構成生物学の立場から、工学一般における部品や作業の標準化という観点から遺伝子工学を改めて見直すことを試みた。部品の標準化に役立つフォーマットを提案し、実際に条件判定を行うためのパーツを構築してAND論理演算が可能であることを示した。さらに、Tokyo Allianceと称するチームを率いて、第3回国際人工遺伝子回路コンテストに参加し、最優秀部品賞、最優秀共同作業賞のふたつを受賞した。進化リアクタの作成では、伏見は、mRNAの5'末端と、蛋白質のN末端付近を結合したin vitroウイルスを作製した。また、等温核酸増幅進化リアクタープロセスによるプロモーターの進化を実現した。理論解析では、樺島は、多数のユニットが複雑に結合した系を数理的に解析する方法論について研究した.特に平均場近似のための効率的な数値最適化アルゴリズムを開発し、3体スピングラス模型で最近提唱された理論予想を支持する結果を得た。
すべて 2007 2006
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