研究課題
特定領域研究
SAPKシグナル伝達路は、細胞の分化、アポトーシス、ストレス応答などに関わる重要な情報伝達経路である。本研究課題においては、プロテインホスファターゼ2C (PP2C)ファミリーの同経路における機能を解明した。1. PP2CεによるASK1の活性制御機構PP2CβとPP2CεはともにIL-1依存性のTAK1の活性化を抑制しているが、その機構は不明であった。TAK1の活性化には活性化ループに存在するSer192の自己リン酸化と、Thr187のリン酸化が必須である。我々は、リン酸化状態に特異的な抗体を用いて、PP2Cβが前者を、PP2Cεが後者を脱リン酸化してTAK1を不活性化することを明らかにした。さらに、PP2Cεが細胞内でASK1と会合し、その活性化に必要なThr845を脱リン酸化することを明らかにした。また、細胞を過酸化水素処理すると、ASK1とPP2Cεの会合形成が一過性に抑制されることを見出した。これらの結果は、PP2Cεが単にASK1の不活性化状態を維持するというよりも、ASK1の活性化機構の重要な因子であることを示唆している。2. PP2CδによるASK1の活性化亢進の機構我々は、細胞にPP2Cδを過剰発現させると、TNFα依存性のAP-1活性を増強することを明らかにした。このとき、PP2CδはASK1の活性化を特異的に増強していた。また、PP2Cδの細胞内でのASK1との特異的な会合も観察された。TAK1の活性化にはPP2Cδの発現の影響は認められなかった。3. PP2CζのJNKによるリン酸化の役割我々は精巣の生殖細胞に特異的に発現するPP2CζのSer92およびThr205が、細胞内でJNKによりリン酸化されることを見出した。これらのリン酸化がPP2Cζに与える影響を検討した結果、Ser92のリン酸化によりホスファターゼ活性が抑制されることが明らかとなった。
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