1.Ssk1の新規な制御機構の解明 His-Aspリン酸基リレーに共通したリン酸化部位に変異を導入したSsk1も、浸透圧ストレス依存的に活性化されることから、このリン酸化以外にもSsk1の活性制御機構が存在することが示唆されていた。そこで、この制御機構を明らかにする目的で、恒常的活性化を示すSsk1変異体を多数単離した。これらの変異体の配列を決定し、Ssk1の活性制御に関与する残基を同定した。これらの残基を含む領域が、Ssk1の活性制御に果たす役割を検討している。 2.タンパク質分解を介したSsk1の制御機構の解明 脱リン酸化されたSsk1が特異的にユビキチン・プロテアソーム系により分解されること、この分解系が浸透圧ストレス応答経路の抑制に関わっていることを明らかにした。また、この分解に、Ubc7と呼ばれるユビキチン結合酵素が関与することを示した。さらに、Ssk1に認められる2型ユビキチン様ドメインは、Rad23など他のタンパク質の場合とは異なり、プロテアソームとの結合には関与しないことを示した。 3.Sho1によるSAPK複合体リクルート機構の解明 浸透圧センサーであるSho1の細胞内領域とPbs2との結合が、Pbs2の活性に依存して阻害されることをin vitroの系で再現した。また、精製したPbs2によりSho1の細胞内領域がin vitroでリン酸化されることを明らかにした。このリン酸化が、Sho1とPbs2の結合の阻害に関与する可能性を検討している。
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