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2006 年度 実績報告書

浸透圧ストレス情報伝達経路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14086203
研究機関東京大学

研究代表者

前田 達哉  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90280627)

キーワードストレス応答性MAPキナーゼ経路 / アクチン制御タンパク質 / 経路特異性 / GSK-3 / 酵母
研究概要

昨年度見出した、浸透圧直後に起こる浸透圧センサーSho1pとアクチン制御タンパク質Las17pの一過的結合の生理的意義について解析を進め、この結合が阻害されると浸透圧刺激直後のHog1pの活性化が昂進することを見出した。このことから、野生株においては、浸透圧刺激直後にSho1pのSH3ドメインにLas17pが結合することにより、Sho1pを介したPbs2pの活性化が阻害されていると考えられる。さらに重要なことに、Sho1pとLas17pの結合が阻害されると、本来は活性化されないはずの擬菌糸形成経路のMAPキナーゼであるKss1pが、浸透圧刺激に応答して一過的に活性化されることを見出した。以前より、Hog1p活性を欠損した変異株では、浸透圧刺激に応答してKss1pの活性化が起こってしまうことが報告されていた。したがって、浸透圧刺激直後の未だHog1pが活性化されていない時期、すなわちHog1p活性に依存してKss1pの活性化を抑える機能し得ない時期には、Las17pがSho1pに結合してPbs2pの活性化を抑え、これによりMAPキナーゼ経路間の特異性が確保されていると考えられる。
浸透圧刺激に応答してアクチン骨格の脱局在が起こることが知られているが、その機構は明かではない。我々は、アクチン制御タンパク質Las17pが浸透圧に依存して本来の細胞内局在を失うことを見出した。また、Las17pが浸透圧刺激に応答してリン酸化を受けること、このリン酸化を担うのはGSK-3 (glycogen synthase kinase-3)ホモログであることを明らかにした。GSK-3欠損変異株では浸透圧刺激後のLas17pの脱局在が遅れ、さらにアクチン骨格の脱局在も低下していた。このことは、GSK-3を介したLas17pのリン酸化とそれによる脱局在が、浸透圧刺激に応答したアクチン骨格の脱局在に重要な役割を果たしていることを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Stomach-specific calpain, nCL-2, localizes in mucus cells and proteolyzes the β-subunit of coatomer complex, β-COP.2006

    • 著者名/発表者名
      Shoji Hata
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 11214-11224

  • [雑誌論文] Identification and characterization of Arabidopsis gibberellin receptors.2006

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Nakajima
    • 雑誌名

      Plant Journal 46

      ページ: 880-889

  • [雑誌論文] Activation of the HOG pathway upon cold stress in Saccharomyces cerevisiae.2006

    • 著者名/発表者名
      Michio Hayashi
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry 139

      ページ: 797-803

  • [雑誌論文] Suppressed disassembly of autolyzing p94/CAPN3 by N2A connectin/titin in a genetic reporter system.2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Ono
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 18519-18531

  • [雑誌論文] Nutrient-dependent multimerization of the mammalian target of rapamycin through the N-terminal HEAT repeat region.2006

    • 著者名/発表者名
      Terunao Takahara
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 28605-28614

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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