• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

ASK1の活性化機構の解明と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14086204
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

武田 弘資  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10313230)

研究分担者 一條 秀憲  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
キーワードストレス / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / アポトーシス
研究概要

本研究では酵母Two-hybrid法を用いたASK1結合タンパク質の検索を進めているが、新たなASK1結合分子としてABP1(仮名)という新規分子を同定した。ABP1のmRNAは広範囲の組織に発現しており、また抗ABP1抗体を作製し、各種培養細胞におけるタンパク質発現を確認した。ABP1過剰発現によりHeLa細胞などではDNA断片化を伴うアポトーシスが誘導された。一方、HEK293細胞などにおいてABP1とASK1との結合は、ASK1活性化因子である過酸化水素刺激により増大した。またABP1の過剰発現によりASK1の下流にあるJNKとp38の活性化がみられたことから、ABP1はASK1に結合することで、そのシグナル伝達系を正に調節していることが示唆された。現在、ABP1がASK1シグナル伝達系に及ぼす作用とアポトーシスを誘導するメカニズムをさらに検討中である。
一方でASK1-MAPキナーゼ系のシグナル経路を規定する分子の解析も進めている。JSAP1(JIP3)は、JNK経路を規定する足場タンパク質として知られているが、本研究によって、JSAP1がASK1に結合し、ASK1または過酸化水素によるJNKの活性化を増強することが明らかとなった。さらに、ASK1はJSAP1をリン酸化し、このリン酸化がJSAP1とSEK1(MKK4),MKK7,JNKとの結合を促進すること、ASK1ノックアウトマウス由来細胞を用いた解析により、酸化ストレス依存的なJNK活性化をJSAP1が増強する際に、ASK1によるJSAP1のリン酸化が重要な役割を担っていることを示した。今後は、このような足場タンパク質によってASK1-MAPキナーゼ系のシグナル経路を規定されることが、どのような生理的意義をもつかを検討していく必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsuzawa, A. et al.: "Physiological roles of ASK1-mediated signal transduction in oxidative stress-and endoplasmic reticulum stress-induced apoptosis : advanced findings from ASK1 knockout mice"Antioxidants and Redox Signal. 4. 415-425 (2002)

  • [文献書誌] Nishitoh, H. et al.: "ASK1 is essential for endoplasmic reticulum stress-induced neuronal cell death triggered by expanded polyglutamine repeats"Genes Dev.. 16. 1345-1355 (2002)

  • [文献書誌] Matsuura, H. et al.: "Phosphorylation-dependent scaffolding role of JSAP1/JIP3 in the ASK1-JNK signaling pathway : a new mode of regulation of the MAP kinase cascade"J. Biol. Chem.. 277. 40703-40709 (2002)

  • [文献書誌] Inoshita, S. et al.: "Phosphorylation and Inactivation of Mcl-1 by c-Jun N-terminal Kinase (JNK) in response to oxidative stress"J. Biol. Chem.. 277. 43730-43734 (2002)

  • [文献書誌] Takeda, K. et al.: "Neuronal p38 MAPK signalling : an emerging regulator of cell fate and function in the nervous system"Genes Cells. 7. 1099-1111 (2002)

  • [文献書誌] Kuranaga, E. et al.: "Reaper-mediated inhibition of DIAP1-induced DTRAF1 degradation results in activation of JNK in Drosophila"Nat. Cell Biol.. 4. 705-710 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi