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2007 年度 実績報告書

異質倍数性によるコムギの種形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14087204
研究機関横浜市立大学

研究代表者

荻原 保成  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40185533)

キーワード倍数性コムギ / 種分化 / ゲノムの複雑性 / 遺伝子の構造 / 発現制御 / 核・細胞質雑種 / 花粉からのmtDNAの伝達 / ジーンサイレンシング
研究概要

コムギは倍数化により進化してきたことを特徴とする。パンコムギは倍数化する際、異種間の異なるゲノムを組み合わせた(異質倍数性:ゲノム式AABBDD)。本研究は、倍数性コムギとその祖先種をモデルシステムとして、遺伝子の構造と環境に応答した遺伝子発現パターンをゲノム生物学的に解析する。また、新たに交雑により、人工倍数種を作成し、倍数化の過程における遺伝子構造と発現調節機構を分子遺伝学的に解析する。これらの解析により、植物ゲノムの倍数化による種形成の分子機構を研究する、ことを目的とする。
異質6倍性パンコムギの花器官形成過程にはたらく遺伝子の構造と3種ゲノムの発現調節機構を花器官形成過程に働くD,Eクラスに属す遺伝子に関して3種ゲノムからクローニングし、その発現機構を詳細に解析し、発現システムとしてジェネティックなものとエピジェネティックなものが関与していることを明らかにした。異なる種の交雑の結果、複2倍体のゲノムシャッフリングが新たな種形成に及ぼす影響を考察した。また、核・細胞質雑種コムギにおける花粉から伝達されるミトコンドリアゲノムの発現様式を明らかにし、種形成への関与を指摘した。異種間交雑により、花粉からミトコンドリアゲノムが伝達され、雑種ミトコンドリアゲノムの約30%を占めていた。しかし、これらのゲノム上の遺伝子はほとんど発現されず、花粉のミトコンドリアゲノム特異的にはたらくサイレンシングが示唆された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic and epigenetic alteration among three homoeologous genes of a class E MADS box gene in hexaploid wheat.2007

    • 著者名/発表者名
      Shitsukawa, N., C. Tahira, K. Kassai, C. Hirabayashi, T. Shimizu, S. Takumi, K. Mochida, K. Kawaura, Y. Ogihara and K. Murai
    • 雑誌名

      Plant Cell 19

      ページ: 1723-1737

    • 査読あり
  • [学会発表] 倍数性コムギのMADSボックス遺伝子にみられる同祖遺伝子間での異なる発現制御機構.2007

    • 著者名/発表者名
      村井耕二、漆川直希、宅見薫雄、持田恵一、川浦香奈子、荻原保成
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会、第80回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] 倍数性コムギのMADSボックス遺伝子にみられる同祖遺伝子間のジェネティックおよびエピジェネティック変異.2007

    • 著者名/発表者名
      村井耕二、漆川直希、宅見薫雄、持田恵一、川浦香奈子、荻原保成
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-09-23
  • [学会発表] パンコムギにおけるAP2様遺伝子の発現機構の解析.2007

    • 著者名/発表者名
      川浦香奈子、一色正之、荻原保成
    • 学会等名
      日本育種学会第112回講演会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] コムギB MADS-box遺伝子WAP3の同祖遺伝子解析から見出された転写バリアント.2007

    • 著者名/発表者名
      漆川直希、宅身薫雄、川浦香奈子、荻原保成、村井耕二
    • 学会等名
      日本育種学会第112回講演会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] コムギTILLING系統の作成と利用 II. パンコムギTILLING系統における穂の形態変異の解析.2007

    • 著者名/発表者名
      高久真実、今井雄大、川浦香奈子、一色正之、荻原保成
    • 学会等名
      日本育種学会第112回講演会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-21
  • [学会発表] 核・細胞質雑種コムギにおける花粉から伝達されたミトコンドリア遺伝子のサイレンシング.2007

    • 著者名/発表者名
      荻原保成、佐伯明日香、森田重人、増村威宏、佐藤茂、川浦香奈子
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] 3種イネ科作物のミトコンドリア遺伝子間にみられる突然変異、とくにRNA editingによるC-to-T塩基置換の特異的蓄積について.2007

    • 著者名/発表者名
      常脇恒一郎、山崎由紀子、松岡由浩、荻原保成
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-09-19
  • [備考]

    • URL

      http://pgenome.sci.yokohama-cu.ac.jp/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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