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2003 年度 実績報告書

植物の交雑と倍数体形成を介した種分化の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 14087205
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

長谷部 光泰  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40237996)

研究分担者 三島 美佐子  九州大学, 総合研究博物館, 助手 (30346770)
塚谷 裕一  岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 助教授 (90260512)
キーワードシロイヌナズナ / 倍数体 / 染色体 / 巨大化 / 細胞サイズ / マイクロアレイ / 花粉管誘導因子 / 花粉管ガイダンス
研究概要

昨年度の研究から、倍数体化による種形成にともなう植物個体の巨大化は発現する遺伝子組成に変化は与えず、発現量だけを変化させることによって引き起こされている可能性と、数十個程度の発現量が数倍程度増減している遺伝子の影響によっている可能性の2つが考えられた。前者の可能性を調べるため2倍体と4倍体で倍数体化によって細胞あたりのDNAとRNA量がどのように変化するかを定量した。その結果、DNA倍化にともなってRNA量もほぼ倍化していることがわかった。このことから倍数化にともない遺伝子の発現組成は変化せずRNA量が増加することによって細胞体積の増加が引き起こされている可能性がでてきた。一方、後者の可能性を調べるためマイクロアレイで発現量の変化した約10個の遺伝子について定量RTPCRによって確認を行うとともに、複数の倍数体ラインを用いて2倍体との比較を行った。その結果、2遺伝子のみがすべてのラインにおいて有意に発現増加していることがわかったので、現在これらの遺伝子をシロイヌナズナで過剰発現し巨大化が引き起こされるかどうかを実験中である。
本年度より種形成の第一段階である生殖的隔離に関わる遺伝子に関する研究を開始した。シロイヌナズナの精子を運ぶ花粉管が卵を持つ胚珠に正確にたどりつくために、胚珠から出されている花粉管誘導因子の花粉管側のレセプターの単離を行うために、人工的に発芽させた花粉管といくつかの発生段階の花粉において発現している遺伝子をマイクロアレイによって解析し、花粉発芽に伴い発現量が増加している受容体型カイネースを遺伝子を探索している。人工発芽させた花粉管と花粉において他の器官よりも発現上昇している受容体型カイネースを約60個特定した。これらすべてについて遺伝子機能阻害実験を行い、これまでに4遺伝子が花粉管ガイダンスに関わる可能性が高いことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kofuji, R., Sumikawa, N., Yamasaki, M., Kondo, K., Ueda, K., Ito, M., Hasebe, M.: "Evolution and divergence of MADS-box gene family based on genome wide expression analyses."Mol.Biol.Evol.. 20. 1963-1977 (2003)

  • [文献書誌] Nishiyama, T., Fujita, T., Shin-I, T., Seki, M., Nishide, H., Uchiyama, I., Kamiya, A., Carninci, P., Hayashizaki, Y., Shinozaki, K., Kohara, Y., Hasebe, M.: "Comparative genomics of Physcomitrella patens gemetophytic transcriptome and Arabidopsis thaliana : Implication for land plant evolution."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 100. 8007-8012 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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