研究課題/領域番号 |
14101004
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研究機関 | (財)中近東文化センター |
研究代表者 |
大村 幸弘 (財)中近東文化センター, 学術局, 主任研究員 (10260142)
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研究分担者 |
吉田 大輔 (財)中近東文化センター, 学術局, 研究員 (20280670)
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
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キーワード | トルコ共和国 / カマン・カレホユック / アナトリア / 文化編年の構築 / オスマン・トルコ時代 / 鉄器時代 / 中期・後期青銅器時代 / 前期青銅器時代 |
研究概要 |
第19次カマン・カレホユック発掘調査は、2004年6月21日〜9月23日まで行った。この調査の主目的の一つは、「文化編年の構築」である。当該研究では特に前2千年紀に於けるカマン・カレホユックの「文化編年の構築」の構築に焦点をあてている。これまでの発掘調査で、カマン・カレホユックの北区において4文化層-第I層、オスマン・トルコ時代、第II層、鉄器時代、第III層、中期・後期青銅器時代、第IV層、前期青銅器時代-を確認している。 2004年の調査では第IIIb層と第IIIc層の2層を中心に発掘調査を進めた。特に、第IIIb層に年代付けられる大建築遺構と円形遺構の関係、機能を明らかにすることに重点をおいた。前者の大建築遺構については、床面の確認、また建築遺構の構築方法を明らかにすることであった。床面は土器片が敷き詰められている状態で確認することが出来たと同時に、大建築遺構が少なくとも二度に渡って構築されたことも明らかとなった。円形遺構2、そして昨年度の調査で円形遺構3の床面から穀物が数多く出土していることから、これまで大建築遺構を囲む形で確認された円形遺構は、穀物を貯蔵する施設であったと考えられる。これらの施設に貯蔵された穀物は、その規模からみてもカマン・カレホユック周辺だけから集荷されたものとは考えにくく、カマン・カレホユック近隣の集落からも納められたものと推測される。穀物は、ボアズキョイ文書から税としての役割を持ち併せていたことが知られており、大建築遺構は穀物の集荷と関連するものと考えることが出来る。第IIIc層の建築遺構は、1994年に本格的に調査が開始されたが、北区では遺丘頂上部で大きく二つの建築コンプレックスを確認している。その何れも火災を受けており、焼土層内からは多くの人骨が確認されている。昨年の調査ではR148、R150を含む建築遺構の全体像を把握することを目的として調査を進め、ほぼその目的を達成することができた。
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