研究分担者 |
加藤 和也 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90111450)
吉田 敬之 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108973)
三輪 哲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10027386)
森脇 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191062)
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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研究概要 |
上野はJ.Andersenとの共同研究で,bcシステムのアーベル的共形場理論を曲線が退化する場合を含めて完成した.また,この理論をモジュラー函手の構成に応用し,3次元多様体の不変量を構成た.この不変量はリー代数がsl(n, C)の場合はReshetikhin-Turaev不変量と一致することを示した.また,この証明の過程で,sl(n, C)をゲージ対称性として持つ共形場理論の共形場ブロックの空間は標準的に導入できる射影平坦接続と両立するエルミート内積を持つことが示されるが,その具体的の構成は次年度の研究課題として残された.その際,アフィンリー代数に導入されるGarlandによる内積から自然に導かれる共形場ブロックの空間のエルミート内積は,射影平坦接続と両立しないが興味深い性質を持つことが示された. 桂はG.van der Geerと共同で正標数のカラビ・ヤウ多様体のモジュライ空間の研究を行い,Artin-Mazur形式群の高さの評価式を得た.また,アーベル多様体のモジュライ空間の研究で重要な役割をしたa数の定義を正標数の代数多様体に拡張し,カラビ.ヤウ多様体の重要な例にたいしてその値の計算を行った.これは,正標数のカラビ・ヤウ多様体のモジュライ空間の研究に大きな示唆を与えるものである. 加藤文元はp進微分方程式の研究を行い,p進三角群は無限個存在するという予想を肯定的に解決したのみならず,その分類を完成させた.これは今後p進幾何学的な観点からモジュライ空間を研究するための重要な一歩であると考えることができる.また,森脇は曲線のモジュライ空間の数論幾何学的に性質を考察し,さらにモジュライ空間のNef因子について新しい知見を得た. 三輪のグループはサイン・ゴルドン模型および制限サイン・ゴルドン模型の形状因子の構成と指標の研究を行い,共形場理論の可換カレントの超対称的な類似物について2次元表現の融合積の構造定理を示し,指標を制限コトスカ多項式によって表し,共形場理論の指標と一致するという予想を肯定的に証明した.山田のグループはパンルヴェ方程式系のベックルント変換について研究誌,新しい知見を得た.高崎のグループは(2+1)非線形シュレーディンガー方程式系を考察してその特種解を構成し,さらにトロイダルリー代数の表現を使って双線形関係式を得た.
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