研究課題/領域番号 |
14102001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
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研究分担者 |
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
高崎 金久 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (40171433)
加藤 文元 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50294880)
江口 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20151970)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
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キーワード | モジュライ空間 / 代数曲線 / ヤコビ多様体 / 曲線の退化 / 重複ファイバー / K3曲面 / 共形場理論 / KZ方程式 |
研究概要 |
本年度は特にモジュライ空間にの幾何学を中心に研究を行った。上野のグループは特異点を持つ代数曲線の一般化されたヤコビ多様体について考察した。代数曲線が既約の場合には向井の方法によって一般ヤコビ多様体のコンパクト化が得られることが知られていたが、可約曲線の場合にも同様の方法が拡張できることが判明した。また、非特異曲線の場合のヤコビ多様体の構造について、特にヤコビ多様体が偏極を無視して代数多様体として楕円曲線の直積、あるいは次元の低いアーベル多様体の直積になる場合の例を取り扱った。また、正標数の代数曲線の退化として生じる重複ファイバーについては、正標数の場合と標数0の場合とは大きな違いがあるが、正標数の場合、種数2の代数曲線の退化として現れる図形$Theta$に対して重複度$p$の退化$pTheta$が標数$p$の体上の代数曲線の退化として必ず現れることを示した。この事は楕円曲線の退化として現れる特異ファイバーに対しては正しいことが以前に上野・桂によって示されていたが、その結果の種数2の場合への拡張である。一般の種数に対しても正しいことが期待される。 桂のグループは次数$2d$の偏極構造を持つK3曲面のモジュライ空間のtautological ringを決定し、モジュライ空間に含まれる最大次元の完備代数部分多様体の最大次元は17であることを示した。 共形場理論と三次元多様体の不変量との関係では上野のグループは楕円曲線上の一般化されたKZ方程式の解のモジュラ変換を考察し、不変量との関係を明らかにした。
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