研究課題/領域番号 |
14102003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福井 康雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30135298)
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研究分担者 |
水野 亮 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (80212231)
大西 利和 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30314058)
小川 英夫 大阪府立大学, 大学院理学研究科, 教授 (20022717)
米倉 覚則 大阪府立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90305665)
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キーワード | 分子雲 / ミリ波・サブミリ波天文学 / 銀河系 / 大小マゼラン雲 / 星間物質 |
研究概要 |
分子雲スーパーシェルの観測的研究を推進した。主な項目は以下4点にまとめられる。 1)分子雲スーパーシェル形成の素過程は、水素分子形成を含むはずである。このプロセスを研究するために、太陽系の極く近傍に位置する高銀緯分子雲の詳細研究を進めてきた。今回、ペガサス座にあるシェル状構造において70個以上の分子雲を検出した、それらが0.1太陽質量を含むこれまで知られていない極小質量分子雲であることを明らかにした。理論モデルと比較し、恒星風による衝撃波圧縮で形成された分子雲である可能性を示した(Yamamoto et al.2006)。 2)超新星爆発と星間物質の相互作用は、スーパーシェル形成の最初の段階である。TeVガンマ線超新星残骸G347について、詳細な分子雲の観測を「なんてん」を用いて行い、ASTEによるサブミリ波観測結果も併用して、この相互作用の詳細を明らかにした。特に、相互作用が強いと指摘された分子雲において高温高密が示され、衝撃波による圧縮の証拠が補強された(Moriguchi et al.2005)。 3)分子雲スーパーシェルのカリーナフレアについて、新たにオーストラリアの高分解中性水素データを入手し、詳細比較を行った。この結果、従来の低分解能観測ではでいなかった分子雲と中性水素ガスの分布の比較が可能となり、より連続的にシェルの物理状態をトレースできることを示した。この成果は、学会等で報告され、今後論文に取りまとめる予定である。 4)大小マゼラン雲中の星形成について、さらに追究研究をすすめ、電波連続波による(光では見えない)HII領域の存否を確認して、シェルのトリガーによる星形成が、従来提案した描像で間違いないことを確認した。
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