研究課題/領域番号 |
14102010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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研究分担者 |
長尾 忠昭 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主幹研究員 (40267456)
藤川 安仁 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70312642)
J・T サドウスキー 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40333885)
高村 由紀子 (山田 由紀子) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90344720)
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キーワード | III-V族半導体 / 分子線エピタキシー(MBE) / 走査トンネル顕微鏡(STM) / 高速電子線回折(RHEED) / 表面再構成 / 薄膜 / ワイドバンドギャップ / ハロゲンエッチング |
研究概要 |
本年度は、新旧二つの超高真空(UHV)分子線エピタキシー(MBE)-走査プローブ顕微鏡(SPM)システムを用いて、サファイアやSiCに代わる基板として期待されるSi上へのGaN膜の堆積と、GaNのハロゲンによるエッチングについて研究した。 新たに導入したUHVMBE-SPMシステムでは、堆積・分析チャンバー間での試料の受け渡しが超高真空下で可能となり、MBE装置でSi(111)上に堆積したAsの影響のないGaN膜表面の走査トンネル顕微鏡(STM)観察が可能となった。KセルからのGaと高周波窒素プラズマからの活性窒素から成長させたGaN膜の表面は高速電子線回折(RHEED)でその場観察され、基板温度、Kセル温度、プラズマ条件等を最適化することで原子分解能観察可能な平坦な表面を得ることに成功した。その表面に室温でGaを堆積することで、GaN(0001)のN極性面に関連した再構成表面構造が形成され、RHEEDとSTMで観察された。また最適条件から外れた条件で堆積された膜表面上には極性の反転したGaN結晶が混在しており、その様子をSTMで観察することに成功した。 旧UHVMBE-STMにハロゲンソースを導入し、室温でハロゲンをGaN(0001)のGa極性表面に供給した後に加熱を行い、その前後の表面形状をSTMで観察してエッチング素過程について調べた。Ga終端表面に対しては、Clによるエッチングはbilayer-by-bilayerで進行し、加熱温度が低い場合にはステップエッジエッチング、高い場合にはテラスエッチングが観察され、それぞれその原子構造に由来する素過程が提案された。N終端表面については、エッチングが確認されず、Ga終端表面との構造の相違などからその理由が考察された。以上、応用の際に重要なGaN(0001)のGa極性表面のハロゲンエッチング過程について重要な知見が得られた。
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