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2002 年度 実績報告書

ナノ構造・超高速現象の解析・制御と次世代新機能素子開発への展開

研究課題

研究課題/領域番号 14102011
研究機関筑波大学

研究代表者

重川 秀実  筑波大学, 物理工学系, 教授 (20134489)

研究分担者 保田 諭  筑波大学, 物理工学系, 学振特別研究員(PD)
大井川 治宏  筑波大学, 物理工学系, 講師 (60223715)
キーワードナノサイエンス / ナノテクノロジー / 走査プローブ顕微鏡 / 超高速現象 / 新機能素子 / 超短パルス光 / 分子レクトロニクス / ナノ構造
研究概要

走査トンネル顕微鏡(STM)は高度なナノテクノロジーを支えるために欠かすことのできない強力な手法である。しかし、STMの測定帯域(〜100 kHz)は、次世代素子の動作速度(〜100 GHz ⇔10 ps)や単一分子の反応素過程(〜1 fs)と比較すると桁違いに狭いため、そのままでは高速な遷移過程を直接観察することができない。我々は、フェムト秒程度のパルス幅を持つ超短パルスレーザーをSTMと組み合わせることで、ナノメートル領域で起こるピコ秒、フェムト秒単位の高速現象を直接漿察する手法を開発し、STMの適用範囲を拡大した。この装置は、STMのトンネルギャップに超短光パルスを2つずつ繰り返し入射し、2つのパルスの間の遅延時間の関数としてトンネル電流を測定する。実際には、遅延時間に周期的変調を掛け、トンネル電流をロックイン検波することで微弱な信号を高精度で測定する。得られる信号を数値的に積分することで、1つ目のパルスにより励起(ポンプ)された試料の緩和過程を、2つ目のパルスによる光誘起トンネル電流(プローブ)の値として観察することが可能となる。この手法をGaN_αAs_<1-α> (α=0.35%)に適用した結果、数ピコ秒および数十ピコ秒の2つの緩和過程の観察に成功した。別途行ったポンププローブ反射光測定で得られた結果に見られるものとほぼ一致し、これまで励起光のスポット程度の空間分解能(〜1μm)で行われていた超高速測定をオングストロームの精度で行える可能性を示している。その他、アルカンチオール自己組織化膜中に埋め込んだ、孤立アゾベンゼン分子のシス・トランス転移を光制御し、直接観察することにも成功した。単一分子スイッチ・メモリーへの展開を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] O.Takeuchi, et al.: "Deposition dynamics of droplet-free Si nanoparticles in AT gas using laser ablation"Applied Surface Science. 197. 674-678 (2002)

  • [文献書誌] K.Hata, et al.: "P(2x2) Phase of Buckled Dimers of Si(lOO) Observed on n-Type Substrates below 40K by Scanning Tunneling Microscope"Phys. Rev Lett.. 89・28. 286104 (2002)

  • [文献書誌] Y.Okada, et al.: "Self-organaized InGaAs quantum dots grown on GaAs(311)B substrat studied by conductive atomic force microscope technique"J. Crystal Growth. 245. 212-218 (2002)

  • [文献書誌] O.Takeuchi, et al.: "Development of time-resolved scanning tunneling microscopy in femtosecond range"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 4994-4997 (2002)

  • [文献書誌] Y.Sainoo, et al.: "Characteristic Configuration of Cis-2-butene Molecule on Pd(110) Determined by Scanning Tunneling Microscopy"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 1976-4979 (2002)

  • [文献書誌] Y.J.Li, et al.: "Characteristic adsorption of Xe on a Si(111)-(7x7) surface at low temperature"Physical Review B. 65. 113306 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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