研究分担者 |
高 偉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70270816)
山中 将 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20292229)
清水 浩貴 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50323043)
青木 純 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40374954)
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研究概要 |
本研究は既知の2次元周期関数に従って角度が変化する目盛り(2次元角度格子)と光学式の2次元角度センサを用い,角度出力から角度格子とセンサの面内の相対並進変位(XY変位)と回転変位(ヨーθz)及び面外の回転姿勢変化(ロールθx,ピッチθy)を分離検出できるサーフェスエンコーダを3軸または5軸の精密ステージに組み込むことでステージの高精度化を図り,その有効性を実証するものである.本年度は以下の研究成果を得た. 1.マルチスポット生成素子として,透過型正弦波ガラス格子(ガラス基板表面に透過型角度格子を有する回折格子)をUV転写加工によって製作した.その結果,従来のグリッドフィルムを用いる場合と比較して,約2倍のマルチスポット生成効率を実現した. 2.回折効率をもとにサーフェスエンコーダの光学系を解析し,角度格子がマルチスポット生成素子を兼ねることができる光学系を設計した.これにより,大きなθzに対応可能なエンコーダが実現できること示した. 3.超精密旋盤上に搭載した高速工具サーボを用いて円筒面に2次元角度格子を創成し,その円筒をマスタとして用いるUV転写法によるローラ転写装置を開発した.その結果,幅140mm,長さ1350mmに渡る大面積角度格子フィルムの創成が可能となった. 4.2本の角度センサを用いるタイプのサーフェスエンコーダを内蔵した面内3自由度駆動が可能なステージを製作した.面内回転角検出実験を行ない,分解能0.5秒を有することを確認した. 5.多自由度位置制御システムの最適化として,ステージの高速化に焦点を当てて,PID制御器だけでなく,フィードフォワード,外乱オブザーバを組み合わせたコントローラを用いることにより,高速化とロバスト性を向上させた.その結果,最高速度142mm/s,加速度1200mm/s^2,推力4.15N,整定時間18ms,オーバーシュート1.5μmを実現した.
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