研究概要 |
研究の目的は,マイクロアクチュエータによる可変機能を組み込んだ光通信用デバイス(光スイッチ,減衰器,ブラッググレーティングフィルタ,フォトニック結晶フィルタ,)の研究を行うことである.フォトニック結晶では禁制帯のすべての波長を伝播させないので、この領域で強い反射を生じる。欠陥を導入することで導波路を実現できるが、導波路中に格子を再生することで、光波の伝播を制御できると考えられる。MEMSによる格子の再生方法を提案し、プロセスを設計した。設計においては、FTDT法による数値解析を行い、3〜6周期の格子を再生することで高い光阻止機能が実現できることを明らかにした。これを利用してマイクロ光スイッチが実現できる。本年度は上記の理論解析に加えて電子線描画装置と低圧化学気相体積装置を用いて、二次元フォトニック結晶導波路を製作した。製作においては気相からSiO2薄膜を堆積し、犠牲層とした。さらにポリシリコンの薄膜を堆積して導波層を製作した。電子線描画によりサブ波長周期の結晶パターンを転写した。高速原子線および高密度プラズマにより結晶の空孔を高いアスペクト比で実現した。さらに穴埋め型の格子欠陥導波路再生のための静電マイクロアクチュエータを試作した,数10nmの極めて薄い犠牲層のエッチングを実現しアクチュエータの駆動を確認した.
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