研究分担者 |
大崎 秀一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60376598)
斎藤 晴彦 日本学術振興会, 特別研究員(DC3)
広田 真 日本学術振興会, 特別研究員(DC2)
小川 雄一 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
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研究概要 |
内部導体の電位バイアスによってプラズマ中に超音速(マッハ数>5)の流れを安定的に駆動し,その流れ駆動に必要なエネルギー関するスケーリング則を確立した.イオンと中性粒子との衝突による粘性散逸と,流れを駆動するトルク(径方向の電流と外部から印加したポロイダル磁場による電磁力)とがバランスしており,異常粘性などの乱流を示唆するスケーリングではなく古典的な関係が成立することが確かめられた. プラズマの流速は,局所的な電場を計測することによって評価される.通常用いられているエミッシブプローブによるポテンシャルから電場を算出する方向に加え,ポッケルス素子を用いた電場の直接計測をおこない,両者を比較した.マッハ数が1.5程度を超えると,プローブの計測値が過小評価となることが示され,これは超音速流が作る衝撃波の効果であることを理論的に示した. 次に大電流電子銃によってプラズマに負の電位を与え,プラズマ流を駆動することを試みた.電子銃からの電子注入は,これまで真空磁場に対して行って純電子プラズマのトーラス平衡の形成および極めて良好な閉じ込め性能を実証している.しかし,RF放電で生成したプラズマに対して電子を注入した場合は,プラズマの電位が0以下に下がらず飽和傾向を示す.この原因については,次年度以降研究を行う必要がある. これまでの実験は13.56MHzのRF放電によって生成したプラズマを対象にしてきたが,本年度から2.45GHzのECRによって,より高密度・高電離度のプラズマを生成することができるようになった.さらに,超伝導コイルを磁気浮上させるRT-1実験装置の建設が進み,来年度からは,この本格的実験設備を用いた研究を行う計画である.
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