研究概要 |
1、高分子集合体の構造・機能の配列、固定化 ポリフルオレン溶液の溶媒蒸発過程に光圧を与えて基板上に析出させ固定化した集合体の形状や蛍光特性を、原子間力顕微鏡や蛍光顕微分光法により解析した。集合体の形状・サイズ、分子配向がレーザー強度や偏光方向で制御出来るという光圧固定化法特有の優れた利点を明らかにした。 2、低分子系会合体、有機非線形光学材料への展開 濃度8mMのシアニン系色素1,1'-diethy1-2,2'-cyanine chloride水溶液に光圧を作用させることにより、液中に分散するナノサイズの分子J会合体を一粒づつ光捕捉し、二光子励起蛍光スペクトルを解析した。光圧を用いることにより、溶液中のナノ会合体を集団平均を取り除いて分光学的に解析することに始めて成功した。 3、光重合反応における光圧効果の解明 紫外光照射による光重合反応過程に近赤外レーザーを集光し、サブミクロンの空間精度を有する二波長マイクロ光造型法を開発した。得られる光造形物を電子顕微鏡で観察し、造形物のサイズ・形状をレーザー強度や照射時間の関数として解析することにより、光圧ポテンシャル中に閉じ込めて反応中間体の拡散を抑制する光圧効果を解明した。 4、光捕捉した色素含有銀コロイドからの非線形光学応答の発現 ローダミン6Gを10^<-6>M含有する銀コロイド溶液に近赤外レーザーを集光すると、銀コロイドが光捕捉されるとともに高強度のハイパーラマン散乱が生じる新現象を見出し、光圧を利用した高感度非線形振動分光の可能性を示した。 5、光圧ポテンシャル内でのナノ粒子の会合プロセスの解明 光圧ポテンシャル内に閉じ込められたナノ粒子の会合プロセスを、蛍光相関分光を用いて解明した。光圧効果でナノ粒子が自己組織化的に会合するという新概念を提示した。
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