研究課題/領域番号 |
14103018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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研究分担者 |
影近 弘之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20177348)
袖岡 幹子 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60192142)
長澤 和夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10247223)
遠藤 泰之 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (80126002)
浦野 泰照 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20292956)
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キーワード | レチノイド / 抗アンドロゲン / エストロゲン / 核内受容体 / シクロオキシゲナーゼ阻害剤 / 一酸化窒素 / 抗糖尿病活性 / 抗リウマチ活性 |
研究概要 |
がん・糖尿病・リウマチ・動脈硬化等の慢性疾患を、細胞の増殖・分化・アポトーシスを機構とする生理的再生の異常と捉え、その正常化を促す生物応答調節剤をもって当該疾病の医薬リードを創製することを最終目的とする。初年度に当たり、供するシーズ化合物の創製ならびに、レチノイドによる再生正常化に関する基礎的応用研究を中心に遂行した。 I.生物応答調節剤の創製: (1)非立体障害型ならびに立体障害型抗アンドロゲンの創製に成功した。前者は、突然変異型核内アンドロゲン受容体を発現するヒト前立腺がん細胞にも有効で、耐性克服が期待できる。一般的な核内受容体アンタゴニストの分子設計法としての有効性を確認した。 (2)新規COX阻害剤ならびにNOS阻害剤の創製に成功した。大腸がんの悪性化阻止や、I型糖尿病の療法剤リードとなることを期待している。 (3)がん細胞の浸潤・転移を阻止する新規PSA(ピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼ)阻害剤の創製に成功した。同時にPSAやNOを可視化するプローブの創製に成功した。 (4)カルボラン骨格を有する合成エストロゲンを創製し、骨粗鬆症に対する有効性を検討した。 (5)新規生物応答調節剤の合成に関わる、各種触媒反応を開発した。 II.合成レチノイドによる再生正常化の基礎的応用研究: (1)RARアゴニスト単独では無効なRAR欠乏メラノーマ細胞に対し、合成RXRアゴニストの併用により所望の増殖抑制効果を引き出すことに成功した。同時にRAR/RXRヘテロダイマーを抑制するRXRアンタゴニストの創製に成功した。本化合物は、PPARγ/RXRヘテロダイマーを抑制し、抗肥満・抗糖尿病活性を示す。 (2)動脈硬化・腫瘍血管新生に関わるKrupel型転写因子KLF5を同定し、これがRARと結合すること、合成レチノイドAm80が動脈硬化・血管新生を抑制することを確認した。 (3)合成レチノイドTAC101によるコラーゲン誘導関節炎(マウス)の抑制、実験的アレルギー性脳脊髄炎(ラット)の発症遅延を確認した。
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