研究課題
基盤研究(S)
ジャガイモ疫病菌の感染に対するオキシダティブバースト(OXB)と防御応答ネットワークに関して次のことを解明した。1)感染防御応答の過程で即応答型の第1相のOXBと誘導応答型の第2相のOXBが発生し、それぞれが活性酸素生成NADPH酸化酵素のRbohAおよびRbohBに依存し、防御応答の発現誘導に決定的な役割を果たす。2)前者はCa^<2+>流入およびCDPKにより活性化し、後者はMAPKカスケードの制御下で発現し、生成したRbohBは第1相のOXBの発生と連動して活性化するリン酸化酵素により活性化される。3)MAPKKのMEKをアミノ酸置換により常時活性型にしたMEK^<DD>を一過的に発現すると、MAPKのSIPKおよびWIPKの活性化、RbohBの発現・誘導、OXBの発生およびHR型の防御応答が誘導される。4)活性化したMPK1は宿主のタンパク質(PPS1〜8)をリン酸化し、その中のPPS3がRbohBおよびファイトアレキシン代謝系酵素の遺伝子(HMGRやPVS)の発現を誘導する。5)親和性レースの感染でもMAPKカスケードの活性化、RbohB、HMGRやPVSなどが発現し、PVS3プロモーター結合GUS遺伝子の形質転換ジャガイモは感染特異的にGUSを誘導する。6)第1相のOXBと共にNOが生成され防御応答に重要な役割を果たす。7)NO生成は誘導発現する硝酸還元酵素(NR)と他の未知NO生成系に依存する。8)局部的OXBは組織内部にCa^<2+>流入を伴う連鎖的細胞興奮を誘導し、これが伝達した組織表面で再びOXBが発生し、全身的獲得抵抗性(SAR)誘導の引き金となる。9)PVS3プロモーター結合MEK^<DD>で形質転換したジャガイモは、親和性疫病菌レースや夏疫病菌の感染に対してOXBを伴うHR型の防御応答を示し耐病性化する。
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