研究課題/領域番号 |
14104008
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
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研究分担者 |
末武 弘章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00334326)
落合 芳博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50160891)
鈴木 譲 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40107412)
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キーワード | トラフグ / ゲノム / 筋分化 / ミオシン / MyoDファミリー / トロポミオシン / 生体防御 / 胚発生 |
研究概要 |
1.トラフグの人工授精を行い、胚発生段階の試料を経時的に採取した。これら試料全体からfirst strand cDNAを合成するとともに、in situ hybridization用の試料を作製した。 2.他生物種で報告されている塩基配列およびアミノ酸配列を利用して、トラフグゲノムデータベースを用いて筋特異的遺伝子であるミオシン重鎖、トロポミオシン遺伝子および筋分化制御因子であるMyoDファミリー遺伝子群の遺伝子領域の推定を行った。MyoDファミリー遺伝子群は哺乳類と同数であったが、ミオシン重鎖およびトロポミオシン遺伝子についてはトラフグのほうがより多くの遺伝子を有していることがわかった。これは魚類におけるゲノム倍化現象によるものと思われた。 3.ミオシン重鎖、トロポミオシン遺伝子およびMyoDファミリー遺伝子群につきアミノ酸配列を演繹し、GENSCANおよびSpideyを利用してエキソン・イントロン構造を予測し、第1エキソン上流の5'側の領域を転写調節領域と推定した。 4.予測された遺伝子の塩基配列をもとにプライマーを作製し、first strand cDNAおよびゲノムDNAをテンプレートにしたPCRを行い、塩基配列およびスプライシングサイトの確認を行った。 5.first strand cDNAを用いたPCRにより発現が確認された遺伝子につき、ヒト、マウスなどの哺乳類、さらにはゼブラフィッシュやミドリフグと、トラフグの当該遺伝子の推定転写調節領域をPipMakerを利用して比較し、両者で保存されている領域を抽出した。 6.トラフグのIgM、IgDの他、サイトカインとしてIL-8、IL-12、細胞マーカーとしてT細胞のCD3〓、ヘルパーT細胞のCD4、細胞障害性T細胞のCD8βの構造を決定したことにより、トラフグ生態防御機構に関する研究の基礎知見が得られた。
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