研究課題/領域番号 |
14104008
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 終五 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
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研究分担者 |
鈴木 譲 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40107412)
落合 芳博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (50160891)
末武 弘章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (00334326)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2006
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キーワード | トラフグ / ゲノム / 分子進化 / ミオシン / ミオシン重鎖 / レクチン / 生体防御 / 免疫グロブリン |
研究概要 |
1.成魚および稚魚トラフグの15組織から24,398ESTの塩基配列を解析し、ゲノムデータに10,116ESTをアノテーションした。ゼブラフィッシュとの比較から魚類に共通した遺伝子と種特異的遺伝子の存在が明らかになった。 2.筋特異的遺伝子のミオシン重鎖遺伝子(MYH)、トロポミオシン遺伝子(TPM)、さらには筋分化制御因子MyoDファミリーの遺伝子MyoDおよびmyogeninなどのin silicoおよびin vivo解析を行った。その結果、MyoDファミリーは哺乳類とほぼ同数であったが、MYHおよびTPMについてはトラフグの方がより多く存在した。これは魚類におけるゲノム倍化現象に関連すると思われた。 3.トラフグには少なくとも13速筋型、5心筋型、2遅筋型、1 superfast型、2平滑筋型および5非筋型の合計28種類のMYHが存在し、ヒトよりも多かった。 4.哺乳類では6種類の速筋型MYHが1箇所でクラスターを形成しているのに対し、トラフグではMYHは5箇所に分散し、うち3箇所でクラスターを形成していた。クラスターを形成していない2箇所が哺乳類のMYH領域に対応していることから、硬骨魚類と哺乳類のMYHクラスターは両者の共通祖先が分岐した後、独自の進化を遂げたことが示唆された。 5.トラフグ体表粘液のパフレクチンで凝集される菌は体表に付着しにくいことを見出した。 6.粘液中に免疫グロブリンを運搬する分子としてpIgRの構造を解明し、哺乳類と異なり、消化管など内側の表面だけでなく体表でも発現していること、同分子が確かに免疫グロブリンと結合していることを明らかにした。 7.抗原提示細胞のマーカー分子として知られるCD11c、CD40、MHC class IIα鎖に加え、共刺激分子B7ファミリーであるB7-H1、B7-H3、B7-H4の3つの遺伝子を魚類で初めて見出した。
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