研究課題/領域番号 |
14104009
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
|
研究分担者 |
山中 章弘 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60323292)
三輪 佳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70263845)
櫻井 武 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60251055)
|
キーワード | オレキシン / 睡眠 / セロトニン / アセチルコリン / ナルコレプシー / パッチクランプ / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
オレキシンは近年同定された神経ペプチドで、視床下部外側野の非常に限られた神経細胞において発現しており、摂食行動や睡眠/覚醒の制御などの重要な生理機能を担うと考えられている。本研究では遺伝子工学的手法を用いて、オレキシン神経特異的に外来遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作成し、オレキシン神経細胞の生理的役割の解明を行っている。オレキシン神経細胞特異的に緑色蛍光たんぱく質を発現させたorexin/EGFPマウスから脳スライス標本を作製し、オレキシン神経細胞に対する入力系の検討をスライスパッチクランプ法を用いて行った。電流固定し、膜電位をモニターしながら、既知の様々な神経伝達物質を作用させて、それらの物質に対するオレキシン神経細胞の反応性を記録した。すべてのオレキシン神経細胞はセロトニン、ノルアドレナリンに対して過分極性応答を示した。一方、アセチルコリンに対しては約30%が脱分極性、6%が過分極性応答を示した。これらの伝達物質を含有する神経細胞は睡眠/覚醒調節に重要な役割を持っていることが知られているため、睡眠/覚醒調節機構におけるオレキシン神経細胞の役割の一部が明らかになった。さらにこれらの反応に関わる受容体および下流のメカニズムを電気生理学的、薬理学的および免疫組織化学的手法を用いて同定した。その結果セロトニンの反応は5-HT1A受容体を、ノルアドレナリンの反応はα2受容体を介しており、さらにGタンパク質共役型内向き整流性カリウムチャネルの活性化を介して過分極を起こしていることが明らかとなった。
|