研究課題/領域番号 |
14104012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 良三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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研究分担者 |
廣井 透雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30311624)
前村 浩二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90282649)
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キーワード | 組織リモデリング / 転写因子 / 動脈硬化 / 心肥大 / 老化 / 生活習慣病 / 遺伝子改変マウス / 線維化 |
研究概要 |
平滑筋形質変換に重要な転写因子KLF5/BTEB2の機能を解析するためにノックアウトマウスを確立した。KLF5遺伝子ヘテロノックアウトマウスは外的ストレスに対する組織の反応性が著明に低下しており、動脈硬化モデルにおいて新生内膜増生の著明な減弱、外膜反応性の低下などを示した。また、虚血や腫瘍による血管新生も減弱していた。心臓においてもアンジオテンシンII負荷による心肥大が著明に減弱し、心臓線維化も抑制された。以上の結果よりKLF5/BTEB2はマウス個体において外的ストレスに対する組織の応答に重要であり、心血管疾患の形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。そこで、KLF5の各種臓器における組織リモデリングにおける役割を明らかにするために研究を進めた。KLF5の心臓における機能をさらに明らかにするために、大動脈結紮モデルを作成し、圧負荷による心臓リモデリングにもKLF5が重要なことを示した。またデキストラン硫酸による腸管障害モデルにおいてもKLF5の炎症反応への重要性が示された。さらに、KLF5の各組織細胞における特異的機能をin vivoで解析するために、心筋・内皮・平滑筋細胞特異的KLF5トランスジェニックマウスの作成を進め、コンストラクトの作成に成功し心筋細胞トランスジェニックマウスはすでに複数のラインを確立した。また、組織特異的ノックアウトマウスの確立のためにKLF5遺伝子floxedマウスの作成を開始した。一方、老化関連遺伝子Klothoの機能解析のために、Klothoを発現するアデノウイルスとセンダイウイルスを作成し血管内皮細胞においてKlothoが細胞障害に対して保護的に作用する結果を得た。さらにKlotho機能の細胞内情報伝達系路の検討を進めている。
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