研究課題/領域番号 |
14104014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
浅野間 和夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 日本学術振興会特別研究員
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
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キーワード | lq42 / 細胞老化誘導遺伝子 / ERα / 活性型Ras / mdm2 / p53 / p21CDKインヒビター / CDK結合領域 |
研究概要 |
A.ヒトlq42領域からの細胞老化誘導遺伝子の単離・同定 子宮内膜癌で高頻度に欠失を認めるlq42領域に存在するORF12、HUBCEP70、ENST27746のcDNAを得、子宮内膜癌細胞へ導入した。ORF12cDNA導入時にのみ、ヒト1番染色体単一移入子宮内膜癌細胞クローンで示される細胞形態変化を誘導し、再構成細胞は老化により死滅した。さらに、子宮内膜癌細胞及び組織においてORF12変異が観察された。現在ORF12の生物学的機能について解析している。 B.細胞老化におけるRas/ER_αシグナル伝達路の生物学的意義 活性化型Rasは、ErαAF1を活性化する。P14^<ARF>非存在下においてERαはets或いはcJunを介して、mdm2発現を亢進し、p53蛋白の分解を導くことを明らかにした。このため、Ras/MAPKを阻害するMEK阻害剤と抗エストロゲン剤をERα(+)子宮体癌細胞へ同時投与したところ、mdm2発現抑制に伴うp53蛋白の安定化が誘導され、体癌細胞は老化により死滅した。MEK阻害剤と抗エストロゲン剤の両方を用いた新たな分子標的両方の開発に取り粗んでいる。 C.細胞老化誘導能を有するp21機能ドメイン CDK結合領域のみからなるp21CDK及びPCNA結合領域のみを保有するp21PCNA欠失変異体を作成した。子宮体癌及び卵巣癌細胞にトランスフェクトし、細胞周期の変化及び細胞老化誘導の有無について検討した。P21CDK欠失変異体は、細胞老化誘導能を維持していた。このため、細胞老化誘導に関与するp21機能ドメインはCDK結合領域であることが判明した。
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