研究課題
基盤研究(S)
本研究では3点を中心に研究を推進した。(1)骨芽細胞分化制御因子の解析、(2)間葉系幹細胞の性状の解析、(3)脊椎動物における骨格形成の変遷と機能解析。その結果以下の研究成果を得た。(1)骨芽細胞分化制御因子の解析1)Runx2欠損細胞株を樹立し、BMP-2はRunx2が存在しなくてもDlx5,Msx2などの転写因子を介して骨芽細胞の分化を促進することが明らかにした。2)CCN3(NOV)はBMPシグナルとNotchシグナルに作用して骨芽細胞分化を抑制することを明らかにした。3)骨芽細胞分化におけるMsx2の役割を明らかにした。(2)間葉系幹細胞の性状の解析1)ヒト過誤腫から間葉系幹細胞の性状を保持する細胞株を樹立し、その性状を解析した。2)ヒト骨肉腫から、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞への分化能を保持する細胞株を樹立し、その性状を解析した。3)マウス骨髄由来で間葉系幹細胞の性状を保持するKUSA細胞を用いて、骨芽細胞の分化および神経細胞への分化におけるCCN3の役割を解析し、CCN3が骨芽細胞への分化を抑制することを明らかにした。(3)脊椎動物における骨格形成の変遷と機能解析1)カエルの長管骨の形成過程では軟骨内骨化の形成が著明に遅延し、その原因としてBanded Hedgehogの発現パターンが哺乳類と異なることを示した。2)アフリカツメガエルの筋肉及び軟骨細胞の培養系を確立した。3)アフリカツメガエル大腿骨の骨再生モデルを確立し、カエルの骨再生はマウスに比べて遅延していることを明らかにした。4)ウシガエルの後鰓体(カルシトニン分泌組織)を除去し、カエルの骨組織における骨吸収が亢進するかを形態学的に解析した結果、カエルの骨組織はカルシウムの貯蔵庫として重要な役割を担っていない可能性を示唆する所見を得た。以上の研究成果により、骨形成機構を総括的に解析し、骨再生、骨粗鬆症などへの臨床応用の基盤を構築した。
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