研究課題/領域番号 |
14201002
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
上山 大峻 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (00090192)
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研究分担者 |
入澤 崇 龍谷大学, 経営学部, 教授 (10223356)
北村 高 龍谷大学, 文学部, 教授 (20224967)
古泉 圓順 四天王寺国際仏教大学, 人文社会学部, 教授 (00073429)
徐 光輝 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (70278498)
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キーワード | 大谷探検隊 / 旅順博物館 / 写経断片 / 漢文写本 / 同定 / 画像データ / 年代判定 |
研究概要 |
2003年度に引き続き、画像データの収集につとめ、旅順博物館所蔵新疆出土漢文写経断片のほぼ全点の撮影が終了し、このデータを元に、旅順博物館と共同して大正新脩大蔵経との同定作業を行った。 3年目となる本年度、総計2万3千点を超える断片の同定作業をほぼ完了し、双方の同定結果を合併したほか、トルファン出土漢文写本の年代判定基準に従って、極小断片を除くほとんどの断片の書体・紙色などを総合的に判断して、一応の年代基準を設定した。その結果、大谷探検隊(1902-1914)と同時代にトルファン地域を訪れ。厖大な写本を収集したドイツ隊の資料とは、いくつかの点で相違のあることが判明した。旅順博物館に蔵される資料には、裏面(verso)も西域諸言語(ウイグル語、ソグド語、トカラ語など)で筆写された文献がきわめて少ないこと、法華経、涅槃経、般若経典類などが非常に多く、ドイツ隊に比して阿含部に属する経典が極少であることなどである。研究の進展により、トルファン地域で展開して仏教のすがたを解明することも可能となってくるであろうが、今後の基礎的データとなる研究成果の公開に向けた段階に入った。 特にトルファン出土写本の年代基準について、『高昌残影』(藤枝晃編)の分期法に準拠しながら、新なた基準の策定を試みた。 AA・・・北朝前期 3世紀末-5世紀前半(北涼時代まで) A・・・北朝後期 5世紀前半-6世紀中期(麹氏高昌國前期まで) A'・・・高昌国期 6世紀前半-7世紀中期(麹氏高昌國滅亡まで) C・・・唐代(7-10世紀) C1・・・高昌国末期〜唐時代 C2・・・唐時代 C3・・・唐時代〜ウイグル期 D・・・ウイグル期(9世紀中期-11世紀) C1〜C3は、藤枝分期法(AA,A',C,D)にはなく、今後の基準の策定のために便宜的に設定したものである。 最終2005年度に予定されている国際シンポジウムの開催や、出版物の体裁など具体的な協議を行い、研究成果の報告に向けた準備を行った。
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