研究課題/領域番号 |
14201013
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
河内 十郎 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30083710)
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研究分担者 |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
鳥居 登志子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70060671)
大六 一志 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (10251323)
小田 浩一 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (60169307)
能智 正博 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (30292717)
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キーワード | 光トポグラフィー / 側化指数 / 水頭症 / 自閉症 / 言語の半球優位 / アルツハイマー病 / 老年期鬱病 / 語想起課題 |
研究概要 |
脳損傷者班は、前年度に光トポグラフィーによる言語機能の側性化を、ヘモグロビンの増加量を左右半球で比較する側化指数の算出から、言語の優位性が右半球か左半球かににぶんされるのではなく、段階的な性質を持ち、非常に強い左半球優位と非常に強い右半球優位とを両端とする連続帯上に各個人が位置することを明らかにしたが、更にその点を確認するために、多数の健常者に2種類の言語課題(語想起と文法判断)を課して測定を行い、二つの課題の側化指数が高い相関を示したまま連続帯び上に分布することを明らかにした。 さらに、幼少期に水頭症が疑われ、29歳になった現在、自閉症に疑いありと診断された右利き男性を詳しく検討した。VIQ;57,PIQ;42、FIQ;47のこの症例は、CTとMRIでは明確な病巣は捉えられなかったが、SPECTで前頭葉の血流低下が示唆され、WCSTなどの前頭葉検査でも、明らかな障害を示した。しかし、言語機能には明確な異常はなく、語想起課題遂行中の光トポグラフィー測定でも、健常者と同様の明確な左半球優位を示した。 脳損傷者班のうち、非局在性脳損傷担当は、軽度〜最軽度アルツハイマー病患者15人、老年期欝病患者5人、年齢をマッチさせた健常老年者22人に語想起課題遂行中の前頭葉のヘモグロビン増加量を光トポグラフィーで測定した。1分間あたりの語の平均産生量は、アルツハイマー群;9.8、老年期鬱病群;12.0、健常老齢者群14.2で、アルツハイマー群は語想起に関しては健常群と比較して有意なに劣っていたが、前頭葉のヘモグロビン増加量には有意な差はなかった。これに対して老年期鬱病群は、語想起は健常群と有意な差はなかったにもかかわらず、前頭葉のヘモグロビン増加量は有意に低かった。
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