研究課題/領域番号 |
14201020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
盛山 和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50113577)
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研究分担者 |
池 周一郎 帝京大学, 文学部, 助教授 (20246060)
土場 学 東京工業大学, 大学院・社会理工学学研究科, 助教授 (50253521)
米村 千代 千葉大学, 文学部, 助教授 (90262063)
伊藤 賢一 群馬大学, 社会情報学部, 助教授 (80293497)
数土 直紀 学習院大学, 法学部, 教授 (60262680)
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キーワード | 高齢化 / 少子化 / 公共性 / 自由 / 平等 / リベラリズム / 年金 / 公平性 |
研究概要 |
本年度は、これまでの研究の蓄積を踏まえて、それぞれの分担者において、「公共性の理論」「持続可能な高齢化社会の基本構想」および「少子高齢化の問題」の3点を中心にしながら研究を進めるとともに、9月に合同研究合宿を行い、3月に研究報告会を予定している。これまでの研究成果のうち、いくつかが発表の段階を向かえており、まず赤川は『子供が減って何が悪いか!』で、男女共同参画社会の構想を少子化対策と結びつける議論に対して、既存調査データの再分析などを駆使しながら、実証的かつ理論的にきわめて詳細で周到な批判を展開し、少子化問題に対して顕著な貢献を行った。また数土は『自由という服従』で、公共性の理論のための基礎理論として、自由と権力との関係についてきわめて独創的な考察を展開した。土場もまた、ハーバーマス理論をもとにして批判社会学としての公共性の理論の構築を試みている。盛山の『社会調査法入門』は、少子化や社会保障に関する実証的データ分析の問題を扱っている。 このほか、今日の公共性理論を代表するリベラリズムとその周辺の社会理論に関するかなり包括的な考察や、持続可能な年金構造に関する基礎的な研究を今年度に行っており、これらは17年度中に発表される予定になっている。 このうち、前者に関しては、ドゥオーキンらの責任-平等主義やセンの潜在能力平等化論などの理論的な問題点を明らかにするとともに、後期ロールズの政治的リベラリズムの着想を批判的に継承しながら、公共性に関する規範的社会理論の構築のしかたを理論化しようとしている。また、後者に関しては、年金の保険金の支払い世代と受給世代との公平性を組み込んだ基本モデルの開発を行っている。
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