研究課題/領域番号 |
14201021
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 喜比古 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10174666)
|
研究分担者 |
坂野 純子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (70321677)
中川 薫 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助教授 (00305426)
小澤 温 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (00211821)
伊藤 美樹子 大阪大学, 医学部, 講師 (80294099)
|
キーワード | ライフ / QOL / SOC / 被害者遺族 / スティグマ / 対処 / 要介護高齢者 / 障害者 |
研究概要 |
本研究では、3年計画で、,病気・障害をもつこと等に伴って患者・障害者・家族・遺族のライフの各次元・各側面に生じる変化やニーズの動態的かつトータルな把握と、そのための理論と方法の開発・発展をめざしている。 第1年度は、患者・障害者・家族・遺族のQOLに関して、新しい概念と測定方法等の提案に向け、定期的に研究会をもち、先行研究のレビューを行った。調査研究としては、薬害HIV感染被害者遺族への面接調査と質問紙調査を行い、HIV感染被害者との死別が従来のナチュラル・デスやヴァイオレント・デスを超える極めて過脚かつ複合的な心理杜会的影響を遺族にもたらしていることを明らかにした。また、顔に異形のある人々のセルフヘルプ・グループのメンバーを対象に面接および質問紙調査を行い、周囲の人々から受ける様々なまなざしや態度とそれらへの対処の仕方が彼(女)らのQOLに強く影響していることを明らかにした。 ストレス対処能力概念SOCに関して、研究の共同と交流を目的とするSOC研究ネットワークを立ち上げるとともに、2つの調査研究を行った。一方では、SOCの関連要因が大都市・農村地域間で異なる面があることを明らかにし、もう一方では、大学生においてSOCが2年後のウェルビーイングを十分に予測し得ることを明らかにした。その他に、SOCと家族SOCの中国語版スケールの開発も試みた。 この他、更年期にある女性を対象にした配票調査からは、自らの心身症状に対する理解・受け止めにはその人の日常生活のあり方も影響していることを明らかにした。介護老人保健施設に入所した高齢者への面接調査からは、施設入所という極めて大きな生活変化に対する要介護高齢者の対処・適応の仕方を明らかにした。自立生活を志向する障害者への面接調査からは、介助考との従来にない新しい関係を構築するために障書者がとっている様々な方略とスキルを明らかにした。
|