エスニック・コミュニティの比較都市社会学

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14201022
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 西村 雄郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50164588)
• 研究分担者: 森山 沾一 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20122864) ; 稲月 正 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (00232512) ; 谷 富夫 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30135040) ; 西田 芳正 大阪府立大学, 社会福祉学部, 助教授 (10254450) ; 近藤 敏夫 佛教大学, 社会学部, 助教授 (70225621)
• キーワード: エスニック・コミュニティ / 外国籍市民 / ニューカマー / オールドカマー / 比較都市社会学

研究概要

本研究は、全国の外国籍市民集住地域を対象として、エスニック・コミュニティの構造を解明することを目的とする比較都市社会学的研究である。
わが国のエスニック・コミュニティ研究で最も成熟度が高いのは在日韓国・朝鮮人集住地域を対象とした研究である。本研究は、ここを出発点として、日系南米市民などのニューカマーが集住するコミュニティを新たな調査地域として加え、複数のエスニック・コミュニティを対象として、(1)エスニック・コミュニティの歴史的形成過程を明らかにし、当該地域の歴史的、空間的、階層的特質を明らかにするとともに、(2)そこに居住する定住外国籍市民と日本人に対する聴き取り調査と質問紙調査をとおして住民の特質や外国籍市民と日本人の民族関係の特質を明らかにし、(3)これらの調査結果を都市社会学的な視点から比較考量していくことによって、(4)エスニック・コミュニティの体系的把握を行いたいと考えている。
このため今年度は、前年度の基礎的な資料収集をふまえて、東京都足立区(文)、愛知県西尾市(山本)、名古屋市(高畑)、北九州市(稲月、森山)でアンケート調査や聴き取り調査を行うとともに、滋賀県長浜市(近藤、西村、大束、西田)、大阪市(谷)、広島市(伊藤)、那覇市(野入)などで次年度にむけ調査資料の収集と調査方法の検討を行った。また、日本のエスニック・コミュニティと東南アジア諸国のエスニック・コミュニティの比較検討を行うために韓国、台湾のエスニック・コミュニティに対する研究の準備をおこなった。