研究課題/領域番号 |
14201027
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高木 靖文 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (30097729)
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研究分担者 |
生馬 寛信 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (40136586)
入江 宏 宇都宮大学, 教育学部, 名誉教授 (90002518)
関山 邦宏 和洋女子大学, 文学部, 教授 (30179345)
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策評価研究部, 総括研究官 (80189480)
竹下 喜久男 佛教大学, 文学部, 教授 (70077022)
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キーワード | 生涯学習システム / 幕末維新期の教育 / ライフコース / 近世的教養・学問 / 学習結社・社・連 / 庶民の蔵書 / 教育環境 / 教育的全体論 |
研究概要 |
本研究は、伝統杜会の成熟期・解体期、及び近代化への転換期を連続的に把握し、各時代における人々のライフスタイルに着目しつつ、世界観・人生観・学習観の諸相および近・現代人の思想と行動への影響を解明し、あわせてその素地的意義を明らかにしようとするもので、本年は、研究の第2年度に当たる。 研究組織全体は、前年度と同様に、成人学習思想、成人学習機関、成人学習集団、成人学習活動の小課題班を以て構成し、班固有の課題研究を積み重ねながら、基礎的史料の調査研究を行い、人間形成論における「全体性」の概念を個人のレベル、社会生活のレベルで検討した。それらの成果の一部は、中間報告書『近世日本における生涯学習システムの成立と発展に関する全体論的研究I』に掲載したが、関連する業績は分担者が紀要等にも報告している。研究組織としては、前年に引き続いて、文献・史料収集を行い(金沢市立玉川図書館、徳川林政史研究所、新潟県立文書館、鈴渓資料館など)、多くの新史料を入手した。また、隣接領域の多様な研究成果から優れた研究方法と課題についての汲み上げに努め、とくに民俗学、社会史、文化史、生活史などから多くの示唆を得、人間形成に関わる「近世的全体性」とその問題点についての共通理解を得ることができた。 個別課題研究の成果としては、大名をはじめとする武士の生育過程と学びの実態、庶民生活と結びついた教養とその習得の機会、あるいは学習環境の姿、在村医師の情報ネットワークの存在と機能、講の文化的役割や俳諧に見られる結社的文芸活動の広がりなど、これまで注目されることが少なかった課題について、実態的、個別的に史実を明らかにする試みを重ねた。それらの成果は、次年度の報告書に纏める予定である。
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