研究課題/領域番号 |
14201030
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
植田 直見 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
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研究分担者 |
尾崎 誠 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50224209)
山内 章 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (90174573)
川本 耕三 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
村田 忠繁 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50210042)
米村 祥央 東北芸術工科大学, 芸術学部, 講師 (50332458)
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キーワード | カラーシンチレーターシステム / X線透過装置 / 絵馬 / 顔料 / 絵具 / イメージインテンシファイヤー / 博物館さがの人形の家 / 輝尽性蛍光シート |
研究概要 |
奉納絵馬は嘉永年間(1850年前後)を境として、明治に入ると江戸時代とは色調や配色が異なる彩色で製作されたものが多数見られる。量産絵馬に使用された絵具の変遷と時代的特色について、実際に絵馬の各種分析を行い、絵具を同定し、画材研究を行うことを目的として研究を進めた。 一方、通常の分析方法で同定したのでは多量にある絵馬の絵具に対応することは困難であるため、顔料分析に応用できる可能性があり、効率が良く、デジタル処理が容易なX線透過装置を顔料の同定に応用することを考えた。そこでより適した装置を選定するため、輝尽性蛍光シート(I.P)法、イメージインテンシファイヤ(I.I)法の2種類の方法を検討し、輝尽性蛍光シートを備えたカラーシンチレータシステムX線透過装置を導入した。 昨年は絵馬の基礎データの収集と代表的な顔料を用いてステップゲージを作成し、それにX線を照射し、輝尽性蛍光シート上にデジタル透過画像として取り込み、透過輝度値として数値化し、顔料の種類と相関関係を調べた。 今年度は最終年度であるため昨年度実施したX線透過撮影に引き続き、実施できなかった分析を完了させ、前年度までのデータの整理を行った。対象資料であるさがの人形の家所蔵絵馬300点のデジタル写真撮影、目視による顔料観察、赤外線写真撮影および使用顔料のケイ光X線分析を行いこれらの結果をデータベースとしてまとめた。さらに、標準試料の結果と比較しそれぞれに使用された絵具の種類を見極める方法を検討した。
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