研究課題/領域番号 |
14201031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70092327)
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研究分担者 |
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
山家 浩樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60191467)
原田 正俊 関西大学, 文学部, 助教授 (40278883)
田中 博美 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (60111572)
末柄 豊 東京大学, 史料編纂所, 助手 (70251478)
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キーワード | 禅宗史 / 和紙の組成分析 / 禅宗寺院文書 / 蔭涼軒日録 / 大徳寺文書 / 透過光画像 / 料紙画像解析 / 古文書学 |
研究概要 |
本年度(最終年度)は大徳寺文書の原本調査の完遂と原本返却を第一の課題とし、大徳寺文書の全詳細目録(報告書付録、590頁)を完成し、紙質調査におよぶ詳細な原本調査カードの作成を終了した。さらに東京大学農学部江前敏晴助教授の協力をえて、200枚をこえる透過光画像を素材としてフーリエ変換画像解析による簀目本数計算を行ったこと、繊維顕微鏡画像を採敢し澱粉など不純物の定量分析の方法を検討できたこと、それらにもとづく料紙分類論を展開できたことなどは特筆したい。また、大徳寺の重宝蔵保管文書についても、大徳寺に出張し未撮影のままになっていた軸物・頂相・冊子をふくむ諸文書を調査・撮影し、さらに必要なものについては赤外線画像などを撮影した。その際、透過光画像によって軸装文書の裏打ち面の情報を読みとったことも収穫であった。本年3月に大徳寺文書が重要文化財に指定されたことも報告しておきたい。本科研の一つの目的であった古文書学的・料紙論的成果については、報告書で要点を報告したが、上記目録不掲載の情報についてもデータベースの形式で記録を残したので、可及的速やかに学界に提供するようにしたいと考えている(なお、当初の予定通り、『鹿王院文書』、『蔭涼軒日録』(三冊分)のフルテキストデータベースを作成したことも附言する)。 次に、国際シンポジウム「禅宗史研究の諸課題と古文書」では欧米の代表的な禅宗史研究者(お二人)をまじえた有益な議論を組織することができた。その内容については報告書を参照されたいが、禅宗史研究という点で、本科研の当初の目的であった室町期国家の禅宗国家というべき様相についても、充実した報告をえることができた。
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