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2002 年度 実績報告書

近代日本における戦争紀念碑と戦没者慰霊についての地域社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14201035
研究種目

基盤研究(A)

研究機関中京大学

研究代表者

檜山 幸夫  中京大学, 法学部, 教授 (40148242)

研究分担者 櫻井 良樹  麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90211268)
斎藤 聖二  茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (10306102)
大友 昌子  中京大学, 社会学部, 教授 (30060700)
加藤 聖文  国立国文学研究資料館史料館, 助手 (70353414)
松金 公正  宇都宮大学, 国際学部, 専任講師 (50334074)
キーワード戦争紀念碑 / 戦没者墓碑 / 忠魂碑 / 戦没者慰霊 / 靖国神社 / 護国神社 / 忠魂堂 / 遺族会 / 慰霊祭
研究概要

本年度は、初年度であったことから研究開始が遅れ、当初の計画の一部を次年度に譲らざるを得なかったが、多くが予定以上の成果を挙げた。本年度の研究成果は以下のようなものとなった。
国内調査研究は、主に5つの方法を用いた。第1は、基本である市町村における悉皆調査、第二が凋査地域における地町村役場や郷土資料館・図書館における関係史料の収集、第3が現地における関係者への聞き取り調査、第4が戦没者遺族への聞き取り調査と史料収集、第5が県立公文書館などにおける文書収集である。史料の収集は、状況に応じて光学写真とデジタル写真を用い、戦争紀念碑や墓碑の金石文は全て筆記し、測量は三名以上で詳細且つ精密に行った。収集した史料は調査用紙に記載するとともにデジタル化した。国内における悉皆調査は、福島県・茨城県・千葉県・静岡県・愛知県・滋賀県・石川県・富山県・兵庫県・山口県・高知県・鹿児島県・長崎県・福岡県において行った。海外調査としては、日本との比較研究を目的としていたことから、中国の上海と旧満洲の藩陽・長春・恰爾浜・牡丹江及び方正における、日本時代の戦争紀念碑と戦後中国政府が建立した日本人墓地・解放軍墓地・清国兵墓地などの調査を行った。
これらの調査結果を分析すると、次のようなことが判ってきた。(a)戦争紀念碑と戦没者墓碑については、形態・思想・組織が昭和20年を境界として明確に分かれることから、従来の総体として把握する方法論は改め戦前期と戦後期で大別して把握する必要があること、(b)戦没者の定義についても山口県大島郡では徳川幕府の長州征伐の際の長州藩士から、鹿児島県奄美大島での西南戦争において賊軍として戦死した奄美大島出身者を合祀している事例、さらに愛知県一宮町のように宗教性とは無関係に三河一宮の砥鹿神社境内に戦後護国神社を建立した事例、地域の共同墓地内に軍人墓地が設置されその中に女子挺身隊として勤労動員され米軍の空襲により犠牲となった女学生の墓石が建立されていると行ったように、地域による極端な相違があることから定義のものを再考する必要があること(C)戦争紀念碑と戦没者慰霊については中国と全く同じものであることから相互比較研究が必要であることが判った。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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