研究課題/領域番号 |
14201035
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
檜山 幸夫 中京大学, 法学部, 教授 (40148242)
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研究分担者 |
大友 昌子 中京大学, 社会学部, 教授 (30060700)
斎藤 聖二 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (10306102)
櫻井 良樹 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90211268)
加藤 聖文 国文学研究資料館, アーカイブス研究系, 助手 (70353414)
松田 京子 南山大学, 人文学部, 助教授 (20283707)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 戦争紀念碑 / 戦歿者慰霊 / 軍人墓 / 軍人墓地 / 日本人と戦争 / 忠魂碑 / 「もの」資料 / 日本人社会の慰霊 |
研究概要 |
本研究は、「近代日本における戦争と国民」という大きな研究課題のなかで、戦後の歴史学界においてもタブー視され触れることすら避けられてきたために大きな立ち後れを見せてきた「近代日本の国家の記録と国民の記憶としての戦争紀念碑」と「近代の日本人と日本社会における戦没者慰霊」という問題を、地域社会と日本国民がどのようにかかわり記録化してきたかを、その象徴的築造物である戦争紀念碑と墓碑石という「もの」資料を通じて明らかにしていくことを目的としたものである。だが、このためには研究の土台として二つの問題を解決しなければならない。第1がこのような「もの」資料の史料学の確立、第2がかかる戦争紀念碑や戦残者墓碑石の実態把握であった。いずれも、研究の基盤と基礎を構築することにあった。このため、第1点については、あらゆる種類の築造物を調査しその「もの」の構造を解析することと、「歴史史料化」するための史料情報の標準化のための試論化を図り、第2点では地域的には北海道から沖縄までの全国的調査を行った。 その結果、目本人の戦歿者慰霊のかたちは日清戦争で形成され、それは昭和の戦争前期、主に日中戦争初期まで日本人社会に定着していたが、昭和の軍国主義のなかで変質化が図られそれが戦後無主体的にそれが引き摺られていったこと、日本の戦争紀念碑建立と戦歿者慰霊は国家の強制や定型化ではなく優れて地域性と住民の意思の強い、下からの自発的なもので、それは国家の強制の強い人民中国とは基本的の異なっていること、「もの」資料論を構築していくためには現代的電子情報化を活用していくことが最も機能的であることといった点を明らかにしていった。
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