研究課題/領域番号 |
14201042
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (10272527)
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研究分担者 |
小田 静夫 , 東京都・教育庁, 主任学芸員(研究職)
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 助教授 (10221730)
丑野 毅 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80143329)
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (70313195)
野村 貴美 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40124680)
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キーワード | 年代測定 / AMS(加速器質量分析) / 縄文海進 / 貝塚 |
研究概要 |
研究計画の再構築をする際、目標とした到達点は、1)遺跡の木炭・貝殻資料の年代測定によるΔRの算出、2)博物館所蔵資料の年代測定によるΔRの算出、3)繊維土器、土器付着物の測定による土器型式の年代測定を行い、貝塚遺跡の時間軸を設定すると同時に、古海洋環境を復元することであった。当初の計画に比して、かなり多量の資料を測定する必要が生じたために、初年度は測定試料を迅速に調製できる環境を整備することに重点を置いた。すでに、海外で同様の装置を稼働している年代測定機関があるので、これらの研究者と緊密な連絡を取りながらシステムの設計を行い、年度末に納入・設置を完了した。現在、基礎データの収集を行っている。 博物館収蔵資料については、研究代表者が所属する博物館で1950年以前に収集された貝殻資料を探策した結果、371点が該当したが、貴重標本や死貝などを除いて、146点を選んだ。当面、このうち東北沿岸から静岡県沖合および沖縄の43点を測定することにした。 繊維土器については、神奈川県三浦市鵜が島台遺跡から出土した野島、鵜が島台、茅山下層式土器の破片多数を入手したので、異なる堆積環境にある遺跡の繊維土器片にも、これまでに定式化した化学処理法が適用できるかどうかを検討した。その結果、繊維土器片に対する外部からの汚染は、埋蔵場所や土器型式に依存せず同様で、これまでに確立した処理方法によって繊維土器の製造年代が決定できることを明らかにした。今後、前記システムにより年代値を測定する。 貝塚遺跡の年代データベースの作成は、相変わらず難航しているが、神奈川県、千葉県については、整理が終わりつつある。房総半島における海洋リザーバー効果に関する測定をまだ行っていないので、早急に試料採取、測定を実施する。
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