人間の身体・組識の利用をめぐる倫理的法的諸問題

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14202005
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 東海林 邦彦 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00004151)
• 研究分担者: 丸山 英二 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10030636) ; 常本 照樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10163859) ; 蔵田 伸雄 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50303714) ; 旗手 俊彦 札幌医科大学, 医学部・法学・社会学教室, 助教授 (00198748) ; 城下 裕二 明治学院大学, 法学部, 教授 (90226332)
• キーワード: 生命倫理 / クローン / ヒト胚 / 生殖補助医療 / 先端医療 / 医事法

研究概要

1.平成15年4月から同16年3月まで、本プロジェクト主催の各種シンポジウム(内一つは外国人を招いての国際シンポジウム)・ワークショツプ(内一つは外国人を招いての国際ワークショップ)等を計11回開催した。その録音記録は、昨年度同様、活字起こしのうえ、シンポジウム「人間の尊厳」と身体・生命の倫理的法的位置づけ」に関しては北大法学論集五四巻六号以下に、またその他のものについてはすべて、簡易製本での小冊子の形で「人倫研シリーズ」として、それぞれ公刊をしてきた;
2.研究代表者をはじめワーキンググループ責任者は、国内外の各種関連学会に参加し、各分担テーマに関し関連情報の収集に努め、大いに得るところがあった;
3.研究報告書とりまとめのための研究成果報告会たる「生命倫理・札幌クールセミナー」を昨年7月から8月にかけて札幌で開催し、さらにその後11月東京で開催された「日本生命倫理学会」でのワークショップでは、5人のメンバーの共同で本研究プロジェクトの主要部分の(中間的)成果報告がなされた。
4.本年度から新たに本研究プロジェクト用の情報・意見交換のためのメデアとして、毎月一回A4版平均14-5頁の「人倫研ニュウズレター」を刊行し、昨年度から継続運営してきたメイリングリスト「jinrin ML」とともに、生命倫理に関心を抱く研究者にとっても有益な情報媒体としての場を提供しえたと考えている。
5.現在、当プロジェクトの最後の段階である提言作業の本格的とりまとめ段階に入って、提言案をめぐって、グループメンバー相互間ないし関係専門家間等での意見交換を活発に行っている。

研究成果

• [文献書誌] 蔵田 伸雄: "生命倫理と宗教-「バイオエシックス」の限界-"佛教大学総合研究所紀要別冊『現代医療の諸問題-仏教ヘルスケアの視点から-』. 47-59 (2003)
• [文献書誌] 蔵田 伸雄: "人の胚と人間の尊厳-人ES細胞研究の問題を中心に-"生命倫理(日本生命倫理学会). 14号. 20-27 (2003)
• [文献書誌] 蔵田 伸雄: "人間の尊厳を守る責任-カントとヒト胚の議論-"日本カント研究(日本カント協会編). 4号(印刷中).
• [文献書誌] 蔵田 伸雄: "企業倫理"誇りある技術者になろう-工学倫理のススメ. (印刷中).
• [文献書誌] 城下 裕二: "(犯罪研究動向)精神障害と犯罪者処遇"犯罪社会学研究. 28号. 145-150 (2003)
• [文献書誌] 城下 裕二: "臓器移植法の見直しについて"白金法学会会報. 7号. 60-64 (2003)
• [文献書誌] 旗手 俊彦: "総説 法と倫理の関連"臨床検査(医学書院). 47巻. 1489-1494 (2003)
• [文献書誌] 丸山 英二: "小児心臓移植と臓器移植法"ジュリスト. 1263号. 112-114 (2004)
• [文献書誌] 丸山 英二: "臓器移植法と小児心臓移植"湯澤雍彦・宇津木伸 編『人の法と医の倫理』. (未刊). (2004)
• [文献書誌] 丸山 英二: "医学研究における個人情報保護"宇津木伸・菅野純夫・米本昌平 編『人体と個人情報』. (未刊). (2004)
• [文献書誌] 東海林 邦彦: "胎児の法的保護をめぐる諸問題"人倫研プロジェクトNews Letter. 1号. 2-12 (2003)
• [文献書誌] 東海林 邦彦: "死体(ないしその組織・遺骨等)の民事的保護ないし位置づけ"人倫研プロジェクトNews Letter. 3号. 4-15 (2003)
• [文献書誌] 蔵田 伸雄: "総合保健医療論(105〜108頁・122〜124頁担当)"ヌーヴェル ヒロカワ. 246 (2003)