研究課題/領域番号 |
14202008
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
渥美 東洋 中央大学, 総合政策学部, 教授 (50055141)
|
研究分担者 |
椎橋 隆幸 中央大学, 法学部, 教授 (80041101)
中野目 善則 中央大学, 大学院・法務研究科, 教授 (70211430)
宮島 里史 桐蔭横浜大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40367404)
堤 和通 中央大学, 総合政策学部, 教授 (70256022)
小木曽 綾 中央大学, 大学院・法務研究科, 教授 (50286689)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 少年非行 / 犯罪予防 / 多機関連携 / コミュニティ / Restorative Justice / Balanced and Restorative Justice / Yuoth Justice Board / OJJDP |
研究概要 |
本研究は、従来の刑事司法並びに少年法制の枠組みを超えて、刑罰や保護処分とは異なる、少年非行・少年犯罪に対する事後措置と、犯罪・非行の予防のためのツール、並びに、ツールの実効的、効率的、かつ公正な実施に必要な仕組みを、コミュニティ中に入れた多機関の連携・協働の確保と責任機関の明確化にまで視野を広げて考察するものである。そのために、restorative justiceのプログラム例として、カナダ、オーストラリア、イングランドで、BARJのプログラム例としてアメリカ合衆国で、犯罪・非行予防の包括的プログラムの実施体制の展開例として、イングランドと米国で、議会、裁判所、警察、保護観察局、自治体、行政委員会、大学、研究所等を訪問、調査し、各自の文献調査と併せて検討を重ねた。そのなかから、1.多くの国、地域で、狭い刑事司法や少年法制の枠組みを超えた犯罪・非行政策とプログラムが実施されていること、2.restorative justiceの考え方は従来の刑罰制度の問題点を克服する試みとして一定の可能性が認められるものの、実際の運用で具体的な課題が指摘されていること、3.restorative justiceについてはこれを中に含みながらさらに広い射程を持つBARJの考え方が登場し試みられていること、4.多くの国、地域で、少年の健全発達と、コミュニティの回復・活性化に向けた具体的なツールが実施され、その実効性が評価されていること、5.多くの国、地域で、犯罪・非行に絡まる種々の要因に対応するための多機関連携の実施体制が敷かれ、事前査定と事後評価で改善が進められていること、が明らかとなった。本研究は、現行制度、とりわけ、国親思想と科学主義に基づく集権的な少年法制から日本が離れて、犯罪・非行に絡まる複数の要因に対応できるような多機関の連携・協働を実現する実施体制の構築に向けて、各国の成果と現状を紹介、分析し、日本の犯罪政策の方向を示唆するものである。
|