研究課題/領域番号 |
14203002
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
飯田 裕康 帝京大学, 経済学部, 教授 (30051444)
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研究分担者 |
河合 康夫 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20195035)
吉尾 清 長崎県立大学, 経済学部, 助教授 (10240235)
中宮 光隆 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (80155811)
高橋 信勝 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (80339564)
奥田 聡 大阪経済大学, 経済学部, 専任講師 (20233455)
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キーワード | マルサス / 人口論 / 救貧法 / 貧困 / 古典派経済学 / インダストリー / 自由貿易 / 経済学の普及 |
研究概要 |
1、この研究は、『人口論』の著者として知られるT.R.マルサスとその同時代人たちの社会・経済思想を、多彩で広範囲におよぶ当時の知的交錯のなかに位置づけ、経済学の形成・確立・普及の時代の、経済社会をめぐる知性史および思想史の一端を明らかにすることを目的としている。 2、この目的を遂行するために、2003年6月27日(長崎県立大学)と2003年7月6日(明治大学)の2回にわたって、公開研究会(経済学史学会のメーリングリストによって案内)を開催した。この2回の研究会では(1)飯田裕康(帝京大学)「知性史のなかのリカードウ」、(2)永井義雄(元名古屋大学)「ベンサムとペイリ」、(3)中村廣治(九州産業大学)「マルサス=リカードウ間の理論的交流--「地金論争」から「不変の価値尺度論争」まで」、(4)喜多見洋(大阪産業大学)「マルサスと同時代のジュネーヴ人たち」の4つの報告が行われ、活発な討議が展開された。 3、また、Gregory Claeys(ロンドン大学)を招聘し、2003年9月20日(立教大学)、9月22日(明治大学および生協会館)、9月24日(京都大学)、9月25日(中央大学)において、「Malthusianism and Social Darwinism」「The Early Socialist Critique of Democracy」「The Revival of Robert Owen」「The French Revolution Debate and British Political Thought」をテーマとする5回にわたる公開研究会を開催し、研究の交流をはかった。 4、さらに、研究分担者のうち5名が、日本では入手困難な文献・資料・手稿の閲覧と収集のために、大英図書館、ロンドン大学図書館などを訪れ、共同研究に必要な基礎資料の整備をはかるよう努めた。 5、これらをとおして、これまであまり知られてこなかったマルサスと同時代人たちの経済・社会思想をめぐる研究動向と問題状況の一端を認識するとともに、国際交流を通じた研究促進のための足がかりを築いた。
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