研究課題/領域番号 |
14203007
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
横井 勝彦 明治大学, 商学部, 教授 (10201849)
|
研究分担者 |
鈴木 俊夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00139982)
阿部 悦生 明治大学, 経営学部, 教授 (50130795)
奈倉 文二 獨協大学, 経済学部, 教授 (10007825)
千田 武志 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (90309675)
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
|
キーワード | 武器移転 / 技術移転 / 日英関係 / 軍器独立 / 日英合弁 / 軍縮不況 |
研究概要 |
平成15年度は、「第二次大戦前における日英間の武器移転・技術移転」という共通テーマの下で、各研究者が経済史の視点より多角的かつ実証的にそれぞれの課題を追究した。 まず千田は、呉鎮守府造船部の設立とその発展過程に注目して、日本の軍器独立の主要拠点たる呉工廠を検討した。鈴木は、日露戦争前夜の武器市場と取引関係を扱った。イギリス、日本、チリ、アルゼンチン政府、マーチャント・バンク(ギブズ商会)、ヴィッカーズ社、アームストロング社間の軍艦売却交渉の複雑な過程を日英の一次資料を駆使して解明し、イギリス政府の対日外交政策の実際を解明した。小野塚は、ヴィッカーズ社バーロウ造船所での巡洋戦艦金剛の建造期に渡英した日本人技術者・職工に注目して、彼らがその後の日本造船業の技術革新・管理革新にいかに貢献したかを追究した。奈倉は、日英合弁企業である日本製鋼所(室蘭、1907年設立)に焦点をあてて武器移転・技術移転の実態を追究した。 安部と横井は、対象時期を戦間期に移して、軍縮不況と1930年代後半の再軍備という環境のもとでイギリスの兵器産業がどのような経営戦略を展開したかを追究した。安部は、ヴィッカーズ社とアームストロング社を対象として、軍縮不況期における両社の国際的な多角化戦略を比較検討し、1928年の合併までの人的構成や財務・合理化策などの経営実態を克明に分析した。横井は、イギリス航空機産業の対日武器移転・技術移転を扱う。特に、軍縮不況期における当該産業の再編と日本におけるセンピル英国航空使節団の活動(1922-23年)に注目して、1930年代にはアジア市場をほぼ支配したアメリカ航空機産業が、なぜ20年代には日本市場に参入しえなかったのかを検討した。
|