研究課題/領域番号 |
14203009
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森平 爽一郎 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (50082871)
|
研究分担者 |
駒井 正晶 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (10234866)
小暮 厚之 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (80178251)
枇々木 規雄 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30245609)
川口 有一郎 早稲田大学, 大学院・ファイナンス研究科, 教授 (30245162)
前川 俊一 明海大学, 不動産学部, 教授 (70245158)
|
キーワード | デリバティブス / ヘドニックモデル / 空室リスク / 不動産価格指数 / リアルオプション / ダイナミックDCF / 非完備市場 |
研究概要 |
本年は、これまで2年間の研究課題であった以下の3つ課題、つまり、1)不動産デリバティブズの評価、2)不動産価値評価のためのリアルオプション分析、3)新しい不動産資産価格のヘドニック価格分析、等の研究を進めるとともに、さらに本年は、4)アクチュアリアル・サイエンス(保険数理)手法の不動産分析の応用可能性、という新しい課題に取り組んだ。 第1の「不動産デリバティブズ」に関して、不動産投資信託(REITs)価格変動特性を実証ファイナンス研究手法でよく使われるイベント研究手法を用いて分析するとともに、米国REITsの信用リスク分析を格付の数量分析と言う観点から分析した。また、新しい不動産デリバティブズの可能性をもつ不動産価格指数に対する先渡しとオプション契約の評価モデルを開発した。第2に、最近、急激な発展を遂げているリアルオプションの不動産分析への応用可能性に関し、数理モデルの開発にとどまらず、実際の適用に関して生じる種々の問題についての分析を試みた。第3に、従来日本では土地や居住用不動産の分析に止まっていたヘドニック価格分析を、商業用不動産や、これまでまったく分析がなされていなかった「ゴルフ会員権」の分析を試みた。また、多数の30年間のゴルフ週次会員権データの分析を通じ、会員権価格にあらわれたバブルの発生とその崩壊過程の分析を試みた。第4に、不動産市場を、非完備市場と考えたときに、その価格決定方法として、大災害や事故、生命や健康といった市場で広く取引がなされていない資産を取り扱う研究方法として確立されているアクチュアリサイエンス手法の不動産分析への適用可能性に関する検討を行い、ある種の手法が不動産分析に有効であることを確認した。
|