自動車生産システムの進化と革新についての国際比較と将来像の研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14203011
• 研究機関: 東海学園大学
• 研究代表者: 下川 浩一 東海学園大学, 経営学部, 教授 (70061075)
• 研究分担者: 網倉 久永 上智大学, 経済学部, 教授 (70222693) ; 藤村 博之 法政大学, 経営学部, 教授 (30173462) ; 藤本 隆宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90229047) ; 武石 彰 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (60303054) ; 延岡 健太郎 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (90263409)
• キーワード: 自動車生産システム / グローバルプラットフォーム戦略 / サプライヤーシステム / 部品モジュール化戦略 / 開発アーキテクチャー戦略 / デジタル技術 / 系列取引 / ヒューマンリソース管理

研究概要

今や世界自動車産業におけるグローバル競争は合併やアライアンスによる再編からその再編の内実が問われる段階へ差しかかっている。こういった中にあって主要自動車メーカーのグローバルプラットフォーム戦略が進展し、それとともにそれぞれの製品にブランド価値を如何に高めるか、生産のフレキシブル化でいかに変化する市場ニーズに迅速に対応するかが大きな課題となりつつある。他方において環境戦略の進展とコスト競争の更なる進展のもとで部品コンポーネントのモジュール化戦略もいっそう高度化しつつあり、世界部品産業の再編もいっそう進みつつある。このような状況を受けて生産システムの進化と革新も著しく本年度も昨年の研究を発展させ、製品開発システム、サプライヤーシステム、そして人的資源管理と関連づけつつ研究と調査をすすめている。とくに自動車の設計開発に関連しては、インテグラルアーキテクチャーとモジュラーアーキテクチャーのコンセプトの分化と進化、デジタル技術活用による生産システムと開発システムの連携の研究を進めた。また部品モジュール化を巡る国際調査と比較実態調査を進め、これとアーキテクチャー戦略との関連の分析にも着手しつつある。また部品産業のグローバル化に伴う取引き構造と取引き形態の面での系列取引の変貌についても分析を行っている。これに加えて生産システムの革新と人材開発の関連、そして雇用流動化と再訓練の間題を現場と中間管理職を中心とするヒューマンリソース管理の観点からとりあげている。

研究成果

• [文献書誌] 下川 浩一: "グローバル自動車サプライヤー・システム・部品産業の再編と系列取引システムの変貌"経営志林. 39巻2号. (2002)
• [文献書誌] 下川 浩一・藤本 隆宏 共著: "新局面に入った北米自動車市場と自動車メーカー動向の実態調査(2002年8月実施)"経営志林. 39巻3号. (2002)
• [文献書誌] 下川 浩一・藤本 隆宏 共著: "グローバル戦略と環境戦略の強化を図る欧州自動車産業の戦略的動向と日系自動車メーカー・部品メーカーの欧州戦略と工場の実態調査"経営志林. 39巻3号. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "製品開発組織と競争力/我田引水的文献サーベイを中心に"赤門マネジメント・レビュー. 4月. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "わが国製造業における競争力強化の視点"製造業復活戦略タスクフォース企画談話サロン. No.112. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "アーキテクチャ発想で中国製造業を考える"経済産業ジャーナル. 35巻6号. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "21世紀生き抜くわが国機械産業の企業戦略/戦略構築と製品アーキテクチャ"JMC. 6月. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏 共著: "機能性化学と21世紀のわが国製造業/アーキテクチャ論と製品開発論の視点から"機能性化学/価値提案型産業への挑戦. 9月. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "日本企業の適応戦略の多様性/一つの分析"脱グローバリズム宣言/バクス・アメリカーナを超えて. 9月. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "21世紀わが国製造業のあり方/戦略構築と製品アーキテクチャ"マネジメントトレンド. Vol.7No.2. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "新局面に入った北米自動車市場と自動車メーカー動向の実態調査(2001年8月実施)"経営志林. 39巻3号. (2002)
• [文献書誌] 藤村 博之: "少子高齢化の本当の問題"勤労者福祉. 8月. 6-9 (2002)
• [文献書誌] 藤村 博之: "安心して60代を迎えるための施策を考える-老齢厚生年金制度の改正と高齢者雇用"年金と経済. 21巻3号. 28-33 (2002)
• [文献書誌] 藤村 博之: "「日本的」雇用慣行の今後と人事労務管理の課題"関西経協. 1月. 24-27 (2003)
• [文献書誌] 網倉 久永: "イノベーションの組織戦略"イノベーションとベンチャー企業. 43-73 (2002)
• [文献書誌] 網倉 久永: "組織の自律的ダイナミクス:順機能と逆機能"一橋ビジネスレビュー. 50巻1号. 40-52 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎共著: "異質の経営モデルの融合:フォード主導によるマツダの経営革新"国民経済雑誌. 187巻3号. 1-17 (2003)
• [文献書誌] Kenterou Nobeoka: "The influence of Customer Scope on Supplier Learning and Performance in the Japanese Automobile Industry"Journal of International Business Studies. Vol.33-4. 717-736 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎: "企業間協調における信頼とパワーの効果-日本自動車産業の事例-"組織化学. Vol.36No.1. 80-94 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎共著: "ネットワーク信頼における組織間学習システムの割合:トヨタの事例研究"一橋ビジネスレビュー. 50巻3号. 184-193 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎共著: "信頼の源泉:類型化"国民経済雑誌. 187巻4号. (2003)
• [文献書誌] 延岡 健太郎共著: "情報化と企業組織:アーキテクチャと組織能力の視点から"電子社会と市場経済. 3章. 97-134 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎: "3次元CADの導入と経営革新"Computer Today. 秋. 53-57 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎: "日本企業の戦略的意思決定能力と競争力"一橋ビジネスレビュー. 50巻1号. 24-39 (2002)
• [文献書誌] 延岡 健太郎: "トップマネジメントの戦略的意思決定能力"日本企業変革期の選択. 6章. (2002)
• [文献書誌] 武石 彰: "アーキテクチャという視点"中小公庫マンスリー. Vol.50No.1. 12-19 (2003)
• [文献書誌] Takeishi Akira: "Knowledge Partitioning in the Inter-Firm Division of Labor. : The Case of Automotive Product Dvelopment"Organization Science. Vol.13No.3. 321-338 (2002)
• [文献書誌] 武石 彰・青島 矢一 共著: "シマノ:部品統合による市場の創造"ビジネス・ケースブック. 1. 131-167 (2003)
• [文献書誌] 武石 彰・青島 矢一 共著: "ビジネスケースシマノ:部品統合による市場の創造"一橋ビジネスレビュー. 50巻1号. 158-177 (2002)
• [文献書誌] 福永 晶彦: "経営学研究の学際的展開について"実践経営学会機関誌. 39号. 4 (2002)
• [文献書誌] 福永 晶彦共著: "企業倫理の確立に向けた組織開発:インタビュー調査による予備的考察"実践経営学会大会研究報告要旨. 45回. 5 (2002)
• [文献書誌] 福永 晶彦共著: "第3回日本における企業倫理制度化に関する定期実態調査報告"日本経営倫理学会誌. 10号. 19 (2003)
• [文献書誌] Koichi Shimokawa: "Japanese Foreign Direct Investment and The East Asian Industrial System"Springer, Tokyo. (2002)
• [文献書誌] 藤本 隆宏: "生産・技術システム"八千代出版. (2002)
• [文献書誌] 佐藤 博樹 共著: "生産現場における構内請負の活用に関する調査"SSJDA. 128 (2003)
• [文献書誌] 福永 晶彦: "企業経営の普遍性と地域性"酒井書店. 112 (2002)